2025年3月21日(金)号

物品輸出が8か月連続拡大=2月は14.0%増

 商業省が3月21日に発表した2月の物品輸出額は前年同月比14.0%増を記録した。プラス成長は8か月連続で、2桁成長は2か月連続となった。ピチャイ・ナリプッタパン商業相[=写真]によると、輸出額は267億7100万㌦で、石油・金・武器を除いた輸出額は14.6%増加した。
 輸出の好調は、世界各国の製造業の活動が全体として拡大し、特に電子製品の力強い成長が寄与していると述べた。米国の関税引き上げを前にした駆け込み需要もあった。また、多くの国でインフレ圧力の緩和と低金利環境が続いており、経済刺激策も講じられていることから、各国で消費が回復している。商業省の輸出促進策も重要な支援要因になっているとした。1~2月の累計輸出額は前年同期比13.8%増で、石油・金・武器を除いた輸出額は13.1%増となった。
 2月の輸入額は247億1890万㌦で、前年同月比4.0%増。貿易黒字は19億8830万㌦となった。1~2月では輸出額が519億8410万㌦(13.8%増)、輸入額が518億7600万㌦(前年比6.0%増)となり、貿易収支は1億800万㌦の黒字だった。
 2月の農産物・アグロインダストリーの輸出は前年同月比3.9%増で、8か月連続の拡大となった。農産物は1.6%減少(2か月連続)、アグロインダストリーは9.9%増(8か月連続)だった。ゴムの輸出は35.7%増(16か月連続)、砂糖は25.8%増(2か月連続)、鶏肉製品は9.3%増(5か月連続)、小麦・同製品は27.7%増(14か月連続)、ペットフードは14.4%増(17か月連続)、果物缶詰・同加工品は22.5%増(17か月連続)となった。
 一方で、米の輸出は34.3%減(4か月連続)、タピオカ製品は15.8%減(2か月連続)、生鮮・冷凍・乾燥果物は3.7%減(2か月連続)、食肉加工品は6.7%減(4か月連続)だった。
 1〜2月の農産物・アグロインダストリーの輸出額は前年同期比2.1%増となった。
 2月の工業製品の輸出は17.2%増で、11か月連続の増加となった。自動車・同部品は4.5%増で3か月ぶりに増加に転じた。コンピュータ・同周辺機器は51.3%増(11か月連続)、金地金を除く宝石・宝飾品は106.3%増(4か月連続)、ゴム製品は16.9%増(8か月連続)、エアコンは32.8%増(8か月連続)、機械機器は21.5%増(12か月連続)、集積回路は24.8%増(2か月連続)だった。
 一方、鉄鋼・同製品は13.2%減(4か月連続)、携帯電話・同部品は10.1%減(4か月連続)、半導体・トランジスタ・ダイオードは46.1%減(12か月連続)。
 1~2月の工業製品の輸出は17.1%増となった。
 仕向け地別では、米国向けが18.3%増(17か月連続)、中国向けが22.4%増(5か月連続)、EU向けが4.5%増(9か月連続)となったが、日本向けは3.1%減で、3か月ぶりに減少した。アセアン5向けは0.5%減、CLMV向けは1.8%減少した。
 その他の市場では、南アジア向けが129.5%増、中東向けが6.7%増、アフリカ向けが6.8%増、中南米向けが17.9%増、ロシア・CIS向けが30.2%増、英国向けが3.7%増となったが、オーストラリア向けは7.7%減だった。
 米国市場では、コンピュータ、エアコン、ゴム製品などが伸びた一方、半導体、変圧器、ラジオ・テレビ部品は減少した。中国市場では、コンピュータ、ゴム製品が好調だったが、タピオカ、合成樹脂、生鮮果物などは減少した。日本市場では、自動車、家電などが減少し、ゴム、鉄鋼、銅製品などは増加した。
 今後の輸出見通しでは、電子製品の需要増、製造業の回復、地政学リスクの後退が支援要因となる一方、米国の貿易政策、環境規制、農産物や自動車産業の競争力の低下がリスク要因となる。ピチャイ大臣は、商業省がこれらを注視し、民間と連携して柔軟かつ迅速に対応していくと述べた。

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2月の農業経済指標=生産量増、価格は小幅下落

 農業経済事務局が3月20日に発表した2月の農業生産指数は140.08ポイントに達し、前年同月比3.69%増を記録した。米、サトウキビ、紫タマネギ、ニンニクの生産が増加した一方、パーム椰子やバナメイエビの生産は減少した。前月の155.01ポイント と比べると、2月の農業生産指数は9.63%減少した。特に、ゴムや豚の生産量が減少したが、鶏卵は増加した。
 農産物価格指数は161.95ポイント となり、前年同月比で0.85%下落した。米、紫タマネギ、ニンニクの価格が下落した。米価の下落は輸出市場での需要の減少が影響した。紫タマネギとニンニクは気候条件が良好だったことによる供給増で価格が下落した。一方、パーム椰子は昨年後半の旱魃と洪水の影響で供給量が減少したことから価格が上昇した。バナメイエビの価格も、国内需要増と政府のデジタルウォレット政策による消費支援策の効果から上昇した。前月との比較では、農産物価格指数は0.88%上昇した。ゴムの価格は、国内の供給減と中国からの引き合い増により上昇した。一方、鶏卵の価格は供給過剰から下落した。
 農家の所得指数は226.85ポイントとなり、前年同月比2.80%増加した。生産量の増加(3.69%増)が価格の低下(0.85%減)を上回ったことによる。
 今後の見通しとしては、第1四半期の農業経済は安定した成長が見込まれているが、世界市場の需要変動、気候変動、政府の支援政策が今後の価格変動に影響を与える可能性がある。

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