2026年1月12日(月)号

25年の社債発行額は減少=国債増発で債券市場は拡大

 2025年のタイ経済は、世界経済の不確実性や貿易戦争といった外部要因に加え、高水準の家計債務や民間投資の回復が力強さを欠いたことなどの国内要因により、当初予想を下回る成長にとどまった。この影響を受け、2025年の社債発行額は前年に比べ3.51%減少した。一方、国債を中心とする政府部門の発行増により、タイの債券市場全体は4.67%の拡大となった。
 タイ債券市場協会(ThaiBMA)のソムチン・ソラパイサーン会長兼専務理事[=写真]によると、2025年末時点におけるタイ債券市場の残高は17兆9100億バーツ、GDPの約96%に相当した。2024年末比で4.67%増となった。主因は政府部門の債券発行の拡大で、民間部門の債券残高は2023年以降、2年連続で減少した。


◆社債発行は3.5%減
 2025年における民間部門の長期債の発行額は8810億8300万バーツで、前年から3.51%減少した。投資適格級とハイイールド債の双方で発行額が減少した。
 ただし、投資適格級では平均償還額を上回る発行が行なわれ、発行年限は長期化し、1件当たりの平均発行額も増加した。一方、ハイイールド債では平均償還額を下回る発行にとどまり、発行年限は短期化し、平均発行額も低下した。産業別で発行額が多かった上位3業種はエネルギー、金融、不動産の順だった。2025年に発行された長期社債は、前年より増加し、その多くは一般投資家向けに販売された。
◆ESG債は18%増
 持続可能性関連債券(ESGボンド)の発行額は2025年に2084億400万バーツとなり、前年比で18.18%増加した。政府が主要な発行主体で、2025年は従来のサステナビリティボンドに代わり、サステナビリティ・リンク・ボンド(SLB)の発行が中心となった。民間部門においてもSLBの発行額は増えている。
 2025年末時点でのESGボンドの残高は9784億2500万バーツとなり、タイ債券市場全体の5.46%を占めた。
◆外国人は7200億バーツ超の買い越し
 2025年における外国人投資家のタイ債券投資は7239億6000万バーツの買い越しとなった。第1、第2、第4四半期の買い越し額は合計7566億6000万バーツだった一方、第3四半期は32億7000万バーツの売り越しとなった。
 これを受け、2025年末時点の外国人によるタイの債券保有残高は9180億バーツとなり、市場全体に占める割合は5.12%となった。外国人が保有する債券の平均残り期間は8.09年で、2024年末の8.66年から短縮している。
◆国債利回りは低下
 2025年はタイ国債の利回りが全体的に低下した。特に短期金利の低下が長期金利より速いブル・スティープ化の動きがみられた。短期国債利回りは政策金利の引き下げに連動して低下した一方、長期金利の低下幅は比較的小さく、公的債務の増加や高水準の国債供給量への懸念を反映した動きとみられる。
 2025年末時点で、残り期間2年、5年、10年の国債利回りは、2024年末比でそれぞれ89ベーシスポイント、81ベーシスポイント、65ベーシスポイント低下し、1.13%、1.28%、1.66%となった。
 社債の利回りも国債同様に低下した。残り期間5年のAAA格付け社債の利回りは100ベーシスポイント低下し、国債やAA、A、BBB+格付け社債の低下幅(75~89ベーシスポイント)を上回った。2025年末時点で残り期間5年の社債利回りは、AAAが1.81%、AAが2.10%、Aが2.53%、BBB+が3.78%となった。
◆26年は1回の利下げ予想
 2026年の政策金利については、おおむね1回の引き下げが予測されている。市場参加者への調査では、金融政策委員会(MPC)が2026年第2四半期に0.25%の利下げを実施し、政策金利が1.25%から1.00%に引き下げられるとの予想が多い。
 2026年の国債利回りは、残り期間5年と10年で、2025年末比5~10ベーシスポイント程度の低下が見込まれている。政府の資金調達計画、経済成長の動向、政策金利の方向性、海外投資マネーの動きが主な変数。
 ThaiBMAは2026年の事業計画として、債券市場への信頼構築、イノベーションの推進、持続可能性の促進を柱に掲げた。発行・流通市場における自主規制機関(SRO)としての役割強化、BHRポータルや債券評価を含む情報システムの高度化、債券やESG債に関する知識普及や調査研究の推進、債券登録システムや内部業務システム、人材基盤の改善など、支援インフラの強化を進める方針。

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