2026年1月19日(月)号

昨年の出生数、41万人=過去75年で最低水準に

 タイは深刻な人口構造の転換期に直面している。2025年の出生数は約41万6000人にとどまり、過去75年間で最低水準を記録した。死者数が出生数を上回る状況は5年連続で続いており、少子高齢化と人口減が一段と進行している。
 内務省地方行政局によると、2025年の出生数は41万6574人で、内訳は男性21万5035人、女性20万1539人だった。前年から約4万5000人減少しており、合計特殊出生率は0.86人まで低下した。
 都県別で出生数が最も少なかったのはサムットソンクラーム県の598人で、チャイナート県986人、シンブリ県1010人、アントン県1148人、トラート県1257人、ラノーン県1302人、パンガー県1354人、プレー県1373人、ウタイタニ県1635人、アムナートチャルーン県1759人と続いた。一方、出生数が多かった上位10地域は、バンコク都4万5685人、チョンブリ県1万8061人、ナコンラチャシマ県1万3775人、チェンマイ県1万2172人、ターク県1万1283人、ウボンラチャタニ県1万846人、ソンクラー県1万694人、サムットプラカン県1万309人、コンケン県9499人、ナラティワート県9376人だった。
 2025年の出生数は、統計が残る過去75年間で最低となり、出生数が50万人を下回るのは2年連続となった。1950年に52万5000人だった出生数は、1963年に初めて100万人を超え、1971年には122万1228人とピークを迎えた。その後は減少傾向が続き、2015年は73万6352人、20年は58万7368人、23年は51万7934人、24年は46万2240人となっている。
 一方、2025年の死者数は55万9684人で、出生数を約14万人上回った。死者数が出生数を超える「自然減」は2021年から続いており、同年は出生数54万4570人に対し死者数56万3650人、22年は出生数50万2107人に対し59万5965人、23年は51万7934人に対し56万5992人、24年は46万2240人に対し57万1646人だった。
 平均寿命は77.4歳まで延びているものの、健康で自立した生活が可能な「健康寿命」は67.3歳にとどまり、高齢期に約10年間を不健康な状態で過ごす計算となる。2050年には平均寿命が81.6歳に達する一方、健康寿命との差は11.7年に拡大すると予測されており、健やかな老後を実現する対策が急がれている。
 タイ銀行協会(TBA)のパヨン・シーワニット会長[=写真]は、高齢化による労働人口の減少が将来の財政基盤を揺るがすと指摘する。納税人口の縮小は税収減につながり、財政や予算編成に影響を及ぼす。周辺国のベトナムやインドネシア、フィリピンが労働力の拡大局面にあるなか、タイは経済や気候変動への対応余力を失いつつあると警鐘を鳴らしている。


 保健省は「質の高い出産奨励」を国家方針に掲げ、2027年までに合計特殊出生率を最低1人、2042年までに1~1.5人へ引き上げる目標を設定した。出産・育児環境の整備、家族観に関する意識改革、不妊治療支援や相談体制の強化などを政策課題としている。
 社会開発・人間安全保障省も、人口減少への対応策として「5×5政策」を打ち出した。労働力の潜在力強化、育児の質的向上、高齢者の社会参加促進、障害者のエンパワーメント、若者が家庭を持ちやすい生活環境の整備という5分野に重点を置き、人口崩壊の回避を目指す。

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2026年1月13日

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