2026年2月19日(木)号

工業部門の信頼感が改善=生産回復と観光が後押し

 タイ工業連盟(FTI)が2月18日に発表した2026年1月の工業部門信頼感指数は88.7となり、2025年12月の88.2ポイントから上昇した。指数の上昇は、複数のポジティブな要因を反映したもので、工業部門は年末年始の連休後、生産活動を通常通り再開し、春節(中国正月)期の受注に対応するため生産を加速させた。特に加工食品、衣料、包装材の各業界で増産の動きが目立った。また、年末年始の観光客数の増加に加え、直行便の開設や各地での観光促進イベント開催など政府の観光振興策も、地域や地場企業への所得分配を継続的に後押しした。
 ナーワー・チャンタナスラコン副会長[=写真左]とウィラット・チャトラダロン副会長が会見で明らかにしたところによれば、東部経済回廊(EEC)地域で総額960億バーツ超となるデータセンター事業7件の投資申請が投資委員会(BOI)によって認可された。高度技術産業の拡大を支え、電子機器分野の需要を押し上げると期待されている。さらに、選挙ポスターや投票用紙の印刷、政党による選挙運動などの活動も官民双方の支出を刺激し、経済全体の資金循環を拡大させた。タイ・カンボジア国境における治安が停戦合意により改善に向かったことも、避難住民の帰還を可能にし、経済活動の正常化と回復を後押しした。


 しかしながら、1月には引き続き注視すべき課題もあった。政府の投資予算の執行は目標を下回っており、2025年10月1日の期初から2026年1月23日時点までの執行率は21%にとどまる。1月末時点における目標である26%を下回っており、資金の経済への流入が遅れる可能性がある。同時に、社会保険の拠出金が月額750バーツから875バーツへ引き上げられたことで、事業者の人件費は増加した。また、失業給付の支給遅延は、20万8404人を超える失業者の所得に影響を及ぼしている。
 このほか、主に野焼きに起因するPM2.5濃度の上昇、とりわけ中部と東北部での深刻化が、観光業や国民の健康に引き続き影響を及ぼしている。政府による消費刺激策の終了は国内購買力の減速につながり、バーツ高の持続は輸出企業の収益と競争力を圧迫している。特に食品、加工農産品、利益率の低い製品群への影響が大きい。
 FTIが48業種を対象に実施した1300社の事業者調査によると、2026年1月に懸念が低下した要因は、国内経済(62.8%→60.2%)、政府の政策(40.3%→39.2%)、エネルギー価格(28.6%→27.1%)、資金アクセス(25.3%→24.3%)、貸出金利(17.1%→16.5%)。一方、懸念が高まった要因は、世界経済(57.4%→58.2%)、輸出業者の視点からの為替相場(50.4%→52.4%)。
 向こう3か月を見通した信頼感指数は95.9となり、2025年12月の95.7ポイントから上昇した。ソンクランの観光ハイシーズンが到来することが国内消費を押し上げると期待されており、特に食品、飲料、土産品分野での需要拡大への期待が主な要因。また、新政権の発足も経済政策の推進や予算執行の加速に寄与し、経済活動の活性化と全体的な信頼感の向上につながるとみている。
 一方で、地政学的対立や貿易戦争の動向に対する懸念など、引き続き注視すべきリスク要因もある。世界の貿易環境を悪化させ、今後のサプライチェーンに対するリスクを高める可能性がある。
 この日の会見では、投資委員会(BOI)の「競争力強化基金」を通じた支援事業について、実施期限を2026年末まで延長するよう提案した。事業者のコスト削減と競争力の向上を支援することが期待される。
 FTIは、PM2.5大気汚染問題への対応として、特に野焼きに関する法令の執行を一層厳格化するよう提言した。同時に、越境汚染問題の解決に向け、近隣諸国との協力を具体的に強化するよう求めた。
 このほか、中小企業を対象に、AIの活用に関する知識の普及を促すための予算を早急に確保するよう政府に要請した。工業界の業務効率の向上とコスト削減を図ることができるとしている。

その他のニュース
[経済ニュース]
ロピアがタイ初出店=セントラル・ジェーンワタナに1号店

EV充電施設と水素燃料施設=エネ省が国家規格策定へ

エプソン・タイランド=法人需要の取り込みに注力へ

AISが国内初のAIハブ=「AISpace」開設

社会保険事務局を抜本改革へ=透明性・独立性強化を表明

スワンナプーム空港=物品税局が新納税システム

都市鉄道を国有化へ=2000億バーツ規模ファンド構想

30年越しのモーチット跡地=国有地再開発が動き出す

エデン・エステート=バンナーに会員制スポーツクラブ

[トピックス]
GULFがカシコン銀株10%取得=規制回避し戦略出資

[社会ニュース]
若年層のHIV感染削減=キャンペーンを開始

サムイ大橋高速の公聴会完了=2029年着工、33年開業目標

国立公園・野生動植物保護局=南部で絶滅危惧種ワニを確認

飲料9社、甘さ基準を半減=「ノーマル」で糖分50%減

[トピックス]
「Mission to Win for The Game Changer」=多極化時代に備え、デジタル貿易加速

[レポート]
エレクトロニクス産業の動向

[信頼感指数データ」
消費者信頼感指数
工業部門信頼感指数

あわせて読みたい
無料トライアル 【無料トライアルのご案内】 タイ経済パブリッシングは毎日(土日祝を除く)、A4サイズのPDF版ニュースレターを定期購読者様にメール配信しております。 購読料金...
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次