SEC、移行金融を資本市場で支援=ネットゼロへ国際機関と連携
証券取引等監視委員会(SEC)事務局は、アジア開発銀行(ADB)など国内外の機関と連携し、タイ資本市場で移行金融(Transition Finance)の活用機会を広げる。温室効果ガスの排出削減が難しい企業の低炭素化を資金面から支え、トランジション債やタイ・アンバー債を通じてネットゼロへの移行を後押しする。
SEC事務局は10月5日、ADB、信用保証・投資ファシリティ(CGIF)、国際金融公社(IFC)、グローバル・グリーン成長研究所、(GGGI)、タイ債券市場協会(ThaiBMA)と共同で、「移行への資金供給:タイのネットゼロ移行に向けた資本の活用(Financing the Shift:Unlocking Capital for Thailand’s Transition to Net Zero)」と題するセミナーを開催した[=写真]。タイ資本市場での移行金融の発展や支援策への理解を深める狙い。

移行金融は、温室効果ガス排出量が多く、短期間で事業をグリーン化することが難しい排出削減困難分野(Hard-to-Abate Sectors)の転換を支える仕組み。企業が移行計画に沿って排出量を継続的に減らし、環境負荷の低い事業へ信頼性のある形で転換するための資金調達を支援する。
SECは9月16日、トランジション債と、タイランド・タクソノミーで「黄色」に分類される活動を対象とするタイ・アンバー債の発行・募集に対応した新規則を施行した。企業の資金調達手段を増やすほか、ESG債の情報開示基準も強化し、透明性と信頼性を高める。
トランジション債は、企業の移行戦略や移行計画に沿った事業への資金供給を目的とする。タイ・アンバー債は、タイランド・タクソノミーで「アンバー」に分類される活動への投資資金を調達する債券。SECは両債券について、承認申請料や届出関連手数料の免除措置も適用しており、2028年5月31日まで継続する。
今回のセミナーでは、国内機関と国際機関が連携し、移行金融をタイ資本市場で活用しやすい環境づくりを支える方針を示した。
SECのポンアノン・ブサラトラクン事務局長とThaiBMAのプラサーン・トライラットウォラクン会長が開会のあいさつを行なった。パネル討論では、タイの温室効果ガス排出削減を国・産業レベルで進める方策、海外の移行金融事例、サステナビリティ関連債券を使った資金調達の課題や支援策について意見を交わした。
ポンアノン事務局長は、資本市場を通じて企業が低炭素経済への移行に必要な資金を調達できるよう支援すると説明。トランジション債とタイ・アンバー債によって投資家と資金調達者双方の選択肢を増やし、国際基準や実務慣行に沿った透明性の高い情報開示を促す考えを示した。
セミナーには債券発行体、引受会社、アドバイザー、独立外部評価機関、資産運用会社、関係機関の代表ら約120人が参加した。
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