日系自動車メーカー=首相がEV生産で協力要請
アヌティン首相兼内務相は10月12日、日本の自動車メーカーに対し、タイをEVのサプライサプライチェーンに組み込むよう呼びかけた。既存の自動車生産基盤を維持しながらEVへの移行を進め、投資や技術移転、人材開発を促進することで、国内の雇用の確保と自動車産業の長期的な競争力強化を図る。エネルギー分野でも日本との協力を拡大し、クリーンエネルギーの開発や低炭素経済への移行を進める方針だ。
アヌティン首相はこの日、首相官邸で、タイを訪問した岸田文雄元首相と会談した[=写真]。政治、経済、貿易、投資、産業開発など幅広い分野での協力強化について意見を交換した。

アヌティン首相は、2027年にタイと日本が外交関係樹立140周年を迎えることに言及。日本の投資家が長年にわたりタイの産業発展や雇用の創出、経済成長に重要な役割を果たしてきたと評価した。特に自動車産業では、日本企業の投資がタイを地域の主要な自動車生産拠点へと発展させる原動力となっており、日本の民間部門によるタイへの信頼を反映していると強調した。
◆輸入EVの影響を協議、国内生産を重視
自動車産業に関する協議では、輸入EVの増加がタイ国内の自動車生産に及ぼす影響について岸田元首相から懸念が示された。アヌティン首相は輸入EVに対する物品税措置を説明し、政府が従来の自動車生産基盤を維持する一方、国内でのEV生産を奨励する方針を改めて伝えた。
日本の自動車メーカーに対しては、タイを各社のEVサプライサプライチェーンの一部として活用するよう要請。これまでの自動車産業における協力関係を継続し、投資の拡大や技術移転、人材開発を通じて国内生産と雇用を維持すると同時に、自動車産業の次世代への移行を進める考えを示した。
◆日本側、クリーンエネルギー技術の移転に意欲
エネルギー分野では、エネルギー・トランジションとエネルギー安全保障について協議した。クリーンエネルギーの利用拡大や温室効果ガス排出量の削減を通じて、持続可能な低炭素経済への移行を目指す。
日本側は、タイへのエネルギー技術支援と技術移転に協力する用意があると表明。クリーンエネルギーの開発やエネルギー利用効率の向上を支援し、タイの産業部門の長期的な競争力強化につなげる考えを示した。
◆外交関係樹立140周年、幅広い分野で協力拡大
会談では、タイ王室と日本の皇室の緊密な関係についても意見を交わした。岸田元首相は、シリワンナワリー・ナーリーラット王女殿下のアジア競技大会への出場に言及し、両国のあらゆるレベルにおける強固な結びつきを示すものだと述べた。
アヌティン首相も、ノルウェーのハラルド5世国王の葬儀に参列した際、秋篠宮殿下と面会したことに触れた。
また、アヌティン首相はニューヨークでの国連総会に出席する前に日本へ立ち寄り、タイ政府の在日関係機関で構成するチーム・タイランドと協議したことを説明。経済・貿易・投資協力の拡大に向けて意見を交換したとして、日本との関係強化を引き続き重視する姿勢を示した。
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