2026年10月12日(月)号

タイ日投資フォーラム=GX・DXや資金調達を強化

 投資委員会(BOI)は10月7日、政府、民間、金融部門の日タイ関係機関と「タイ・日本投資フォーラム2026」を開催した[=写真]。質の高い投資を軸に、技術協力、人材育成、金融・資本市場による支援を組み合わせ、新規投資の誘致とタイに既存拠点を持つ企業の高度化を進める。日本からの投資申請は2021年~26年上期に1380件超、3965億バーツ超に達しており、両国の投資協力を次の段階へ引き上げる。
 BOIのナリット・トゥードサティラサック事務局長によると、フォーラムは日本貿易振興機構(JETRO)、タイ証券取引所(SET)、タイ輸出入銀行(EXIMバンク)、アユタヤ銀行(クルンシー)、三井住友銀行(SMBC)と共同で、バンコクのサイアム・ケンピンスキー・ホテルで開催した。
 テーマは「持続可能な成長への投資ゲートウェイ(Investment Gateway for Sustainable Growth)」。IMF・世銀年次総会2026の関連行事の一つで、自動車、電子、機械・設備、金融などから700人を超える経営者が参加した。
 エークニティ・ニティタンプラパート副首相兼財務相は「タイと日本:投資パートナーシップの新たな章を築く(Thailand and Japan: Building the Next Chapter of Investment Partnership)」をテーマに開会あいさつを行ない、タイ経済の改革の方向性を示した。
◆「質の高い投資」で経済を高度化
 エークニティ副首相は、タイと日本が長年にわたり経済・産業を共同で発展させてきたパートナーだと指摘。地政学の変化、技術進歩、エネルギートランスフォーメーション、高齢社会への移行などに対応するため、投資協力をさらに発展させる時期に入っているとした。
 タイが「Trusted Connector(信頼される連結拠点)」として持つ強みを生かし、政府は質の高い投資主導型成長戦略を推進する。重点分野はスマート農業・加工食品、スマートエレクトロニクス、次世代自動車、医療・健康、高品質観光、小売・物流、クリエイティブ・エコノミーで、質の高い投資を長期的な産業能力の向上につなげる。
 インフラやAI技術の開発、企業によるAI活用を支援して生産性を高めるほか、日本が強みを持つクリーンエネルギー分野でも協力を広げる。
 「BOI to IPO」を通じて投資と資金調達を結び、カーボンクレジット市場も発展させる。日本企業がタイで成長し、タイを域内事業拡大の拠点として活用できる環境を整える。
◆日本から5年半で3965億バーツ超
 ナリット事務局長によると、日本はタイにとって最も重要な投資国の一つ。2021年から2026年上期までの日本からの投資奨励申請は1380件超、投資額は3965億バーツ超に達した。
 投資額の上位3業種は半導体・電子、自動車・部品、化学・石油化学。今後はバイオ・グリーン産業、EV・主要部品、半導体・先端電子、AI・デジタル、自動化・ロボット、国際ビジネスセンター(IBC)などへの投資拡大を期待する。
 既存事業についても「スマート&サステナブル・インダストリー」への高度化を支援し、先端技術の導入による生産効率の向上、環境負荷低減、クリーンエネルギー利用の拡大を促す。
 長期投資を支えるエコシステムとして、産業のニーズに合った人材育成、新産業に対応するサプライチェーンの強化、事業運営の利便性向上、資金調達手段の拡充も進める。特にニューエコノミー分野の企業による「BOI to IPO」の活用を促し、資本市場から資金を調達して国内投資を拡大できるよう支援する。
◆JETRO、GX・DX・AXを支援
 JETROバンコク事務所の阿部一郎所長は、日本企業がタイで持続可能性を重視した投資を続けていると説明した。再生可能エネルギー、EV・主要部品に加え、エネルギートランジションに対応した電力網の発展にも取り組む。
 自動車分野ではマルチパスウェイ戦略を採用し、市場の需要に応じてバッテリーEV、プラグインハイブリッド、ハイブリッドに対応する。
 電子部品や半導体への投資も拡大しており、タイ企業との研究開発やクリーンエネルギー試験にも協力する。炭素排出削減、経済成長、エネルギー安全保障の両立を図る。
 JETROは日本企業とタイ企業のビジネスマッチング、研究開発、グリーン・トランスフォーメーション(GX)、デジタル・トランスフォーメーション(DX)、オートメーション・トランスフォーメーション(AX)の導入も支援する。
 製造業の高度化と新産業の創出において、予測可能な事業環境、公正な競争、技術革新、生産性の向上が、日本企業のタイでの長期的な事業・投資を支える重要な条件になるとした。今後も日タイ協力の橋渡し役を担い、タイが地域での事業拡大の重要拠点となるよう支援する。
◆資本市場・金融も長期投資を後押し
 SETのアサデート・コンシリ所長は、資本市場と企業を結び、タイ企業と経済の長期成長を支える方針を示した。
 成長企業がSET、mai、LiVExを通じて資金を調達し、投資を拡大できるよう支援する。「BOI to IPO」では、特にニューエコノミー分野など高いポテンシャルを持つ企業の資本市場へのアクセスを広げる。
 ESGに沿った長期的な事業運営を支える仕組みやインフラも整備する。「JUMP+」では、上場企業の事業開発計画、コーポレートガバナンス高度化計画、温室効果ガス排出削減計画を支援。「SETカーボン」などの持続可能性関連インフラも開発し、企業による体系的な炭素管理や、厳格化する持続可能性基準への対応を支える。
 EXIMバンクのチャラット・ラタナブンニティ総裁は、企業の持続可能性への移行を支えるパートナーを目指すと説明。政府、民間、金融機関と連携し、長期投資への信頼と資金を呼び込む。
 これまでにグリーン債85億バーツ、ブルー債30億バーツ、サステナビリティ債30億バーツを発行した。移行金融、サステナビリティ連動融資、輸出・投資保険、ESGコンサルティングも提供し、企業のリスク管理、競争力向上、持続可能な成長を支援する。
 フォーラムではビジネス&投資クリニックも設置した。企業がBOI、SET、EXIMバンク、クルンシー、SMBCから、投資奨励措置、資金調達方法、事業運営に関わる金融サービスについて相談できる場を設けた。

[経済ニュース]
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[閣議決定]
10月6日

[為替・株式相場]
10月5~10月9日

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バンコク首都圏の燃油小売価格
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[金融市場]
外為相場
商業銀行預金・貸出金利

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