マイクロソフト＝タイにデータセンター開設
バンコクでマイクロソフト社が主催するデベロッパーや経営者、クリエイターらを集めた「マイクロソフト・ビルド ＡＩデー」と題するセミナーが1日に開催され、席上、同社のサティア・ナデラＣＥＯ［＝写真右］がタイにデータセンターを開設する構想を明らかにした。これより前、セーター首相がサンフランシスコでナデラ氏と会談し、協力覚書を取り交わしていた。首相は、ＡＩとクラウド・テクノロジーの活用に重点を置いたデジタル・インフラへの投資が、タイのデジタル開発と持続可能性への取り組みを加速させることになると語っている。
セーター首相はこの日、首相官邸にナデラＣＥＯを迎え、「The Exclusive Networking Lunch Microsoft Build : AI Day」と題したレセプションを開催した。首相は、タイをハイテク産業のハブに押し上げる目標を達成するため、国内外の民間部門と密接に連携していくと述べている。
マイクロソフトはタイの持つデジタル技術開発拠点としての将来性を高く評価し、タイへの大規模な投資を表明したが、具体的な投資額は示さなかった。ナデラ氏は今回、インドネシア、タイ、マレーシアの東南アジア3国を訪問しており、インドネシアではクラウドとＡＩのサービスを拡充するため、今後4年間で17億㌦を投資すると表明した。マレーシアではＡＩとクラウド・コンピューティングに最大22億㌦を投資する計画を明らかにしている。
マイクロソフトのタイでの投資計画はインドネシア、マレーシアと比べて不透明だが、これはインドネシア、マレーシアがマイクロソフトと長期にわたって具体的な交渉を続けてきた結果であり、タイの場合、交渉は8か月前に始まったばかり。
タイのデータセンターはアセアン域内を統括する機能を持つ規模になる見込みで、タイの地理的立地条件や政府のデジタル化政策方針に応じて世界のテック企業の多くがタイに大規模な投資を行なう構想を打ち出していることにも一致するもの。特に膨大な量のデータを取り扱うタイの金融業界は、どのテック企業にとっても軽視できないマーケットになりつつある。
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