ノンバンクの債務者援助措置＝政府貯蓄銀が500億Ｂを融通
政府は2月11日に開いた閣議で、ノンバンクによる債務者援助措置「あなたは闘い、私たちは助ける」参加の詳細条件を決定した。政府貯蓄銀行（ＧＳＢ）が総額500億バーツの低利融資（ソフトローン）を提供することで、ノンバンクに不良化した債権の再構成を促す。
「あなたは闘い、私たちは助ける」でのノンバンクの債務者に対する援助措置は昨年12月11日の閣議で決定済み。パオプーム・ローチャナサクン財務副大臣によれば、対象となる債務者は、商銀／政府系特殊金融機関の債務者に対する援助措置とほぼ同じで、「しっかり払って資産は保持」と「返して、閉じて、終わり」の2本立て。
前者は24年10月31日時点で、ノンバンクから自動車ローン（最大80万バーツ）、二輪ローン（最大5万バーツ）、個人ローン（最大10万～20万バーツ：特定の条件により異なる）、デジタル個人ローン（最大2万バーツ）、ナノファイナンスローン（最大5万バーツ）を借り、返済が滞っている者が対象。24年1月1日より前に成約していることが条件。3年間にわたり月々の債務返済負担が軽減され、金利は10％引き下げられる。例えば、元の金利が年25％だった場合、3年間は年15％に減額される。引き下げになる利息分は一時的に保留され、借り手がプログラムの条件を満たせば完全に免除される。この措置による支援の対象となる債務は約170万口座で、対象となる未払い債務は約500億バーツ。
後者は不良債権状態にある債務残高が5000バーツを超えない個人債務者の債務負担を軽減するもので、債務者は残高の10％を返済すれば、残りの債権は放棄され、不良債務者のステータスを閉じて債務から解放される。この措置の対象となる債務は約3万1000口座で、対象となる未払い債務は1億2000万バーツ。
パオプーム財務副大臣によると、いずれの措置も参加を希望する債務者は4月30日まで申し込むことができる。
財務省は政府貯蓄銀行を通じて500億バーツのソフトローンをノンバンクに提供する。金利は年0.01％。昨年12月時点で決定済みだったが、詳細を明確にするための追加条件を設ける形で調整を行なった。国から政府貯蓄銀行への総額30億バーツの利子補給予算に変更はない。
ソフトローンの条件の調整は、タイ中央銀行、財務省、政府貯蓄銀行による協議のもとで行なわれた。ノンバンク事業者が受けるソフトローンの融資枠の算出方法を明確化した。1事業者あたりの最大与信枠を50億バーツに設定（従来は上限未設定）し、融資の申請期限を25年6月30日に前倒しした（従来は25年12月30日）。政府貯蓄銀は年1回、融資枠の見直しを実施する。タイ中央銀行が監査を実施し、ノンバンク事業者が適切な債務者支援を行なっていない場合、政府貯蓄銀行に報告し、不適切な融資分について30日以内に返済させる。
酒類販売禁止規制＝首相が見直しを指示
ペートンターン首相は2月11日の閣議後の会見で、酒類の販売時間の規制について、多くの業界から苦情が寄せられていることに触れた［＝写真］。国内経済の活性化を妨げ、政府の観光促進政策「Amazing Thailand Grand Tourism and Sports Year」に整合しないと指摘。関係機関に対し、午後2時から5時までの販売禁止や、仏教の重要日における販売禁止が観光業に与える影響について、調査を指示した。また、オンライン販売の禁止措置やコロナ禍で出された規制についても、影響を検討するよう求めた。
ヂラユ・フアンサップ政府報道官の会見によると、首相は酒類販売に関する法律を見直し、現在の社会状況に適合させるための調整を求めたという。酒類販売の規制は1972年に施行されたもので、時代遅れであり、社会の現実を反映していないとの批判が出ていた。1972年に当時のタノーム政権が公務員の勤務時間中の飲酒を抑制するために出したもので、すでに半世紀を経た今、規制は観光産業にとって障害となっている。
首相は内務省、観光・スポーツ省、法務省、保健省に検討を指示した。3月15日までに改正案や規制緩和案を提出するよう求めており、今年のソンクラン前に適用したい考え。
首相は「規制を緩和しても青少年がアルコール飲料を購入できるようにしてはならない」と述べ、未成年者の飲酒防止や公共の安全を最優先し、タイ社会に適した調整を進めると述べた。
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