2026年5月14日(木)号

「SUBCON Thailand 2026」開幕=5T戦略で産業転換加速

 エークニティ・ニティタンプラパート副首相兼財務相[=写真]は5月13日、「SUBCON Thailand 2026」の開会式に出席した。世界的なサプライチェーンの再編やAI時代の到来を背景に、タイ産業の競争力強化と構造転換を目指す「5T」戦略を掲げ、先端技術の導入や人材育成、中小企業支援を通じて、新たな産業機会の創出と世界市場との接続を図る方針を示した。


 会場では、「Target」「Transition」「Transform」「Transparency」「Together」の“5T”を掲げた。世界の環境変化への対応を進め、タイ企業に新たな機会の獲得を促し、世界のサプライチェーンへの接続や、中小企業への機会拡大をビジネスマッチングを通じて後押しする。
 同副首相兼財務相は開幕式で、地政学、安全保障、環境基準、エネルギー危機、AI時代の到来など、複数の世界的変化がタイ経済に影響を与えていると指摘した。AIが産業全体の発想、製造方法、競争構造を変えつつあると述べる一方、こうした変化は事業者に新たな機会ももたらしているとした。そのうえで、「SUBCON Thailand」は、タイの産業界がそうした機会を実際のビジネスへ転換する重要なメカニズムになると説明。タイ企業が世界的なバイヤーと出会い、新たな技術や基準を学び、単なる受託部品メーカーから、産業向けソリューションの共同創出企業、さらには将来のグローバル企業パートナーへ成長する場になるとの期待を示した。
 エークニティ氏は、タイが強固な産業基盤、経験豊富な部品メーカー、整備されたインフラ、戦略的立地という高い潜在力を有していると指摘。2025年のBOIへの投資申請が1兆8000億バーツ超、さらに2026年は第1四半期だけで過去最高となる1兆バーツ超に達したことを引用した。一方で、重要な課題は、世界の方向性に沿ってタイを前進させ、事業者に新たなビジネス機会を創出することだと指摘した。
 そのためには、デジタル技術やAIの導入、クリーンエネルギーの活用など、事業運営の転換を後押しする投資に加え、製造業・サービス業双方における人的資源開発をあらゆる規模の事業者を対象に支援していく必要があると説明した。企業活動の円滑化に向けた規制改革の必要性も強調した。
 同副首相は、世界の新たな環境下における機会をタイ経済が取り込むための重要原則として、「5T」を改めて提示した。資源を的確に投入する「Target」、新たな経済への移行を意味する「Transition」、中小企業や地域社会、労働者にまで成長を行き渡らせる経済構造改革「Transform」、デジタル技術を活用して運営の透明性を高める「Transparency」、そして政府・民間・国民・事業者が力を結集する「Together」だ。
 ナリット・トゥードサティラサックBOI事務局長は、BOIが関係機関と連携して「SUBCON Thailand」を20年にわたり継続開催してきたことに触れ、タイ企業を世界のサプライチェーンへ結び付ける役割を果たしてきたと述べた。今年はさらに内容を強化し、先端技術、持続可能性、生産拠点の分散を重視する新時代のサプライチェーンへの転換という、産業の新たな方向性を反映したものになっていると説明した。
 さらに、EV、半導体・先端電子機器、オートメーション/ロボット、医療機器、航空産業など、新産業を支えるサプライチェーン構築も進めていく考えを示した。同事務局長は、「現在、世界は大規模なサプライチェーン再編の時代を迎えており、タイはその機会を取り込むうえで地域内でも最良の位置にある国の一つだ」と述べた。その理由として、インフラ、人材、50年以上にわたり蓄積してきた産業基盤、高品質な部品メーカーのネットワークという強みを挙げた。
 BOIが重視しているのは、タイ企業とタイに進出する世界有数の企業を結び付け、将来的な部品供給、技術移転、あるいはビジネスパートナーシップにつなげることで、ビジネス機会を創出することだと述べた。
 SUBCON Thailandは、東南アジア地域最大級の展示会兼ビジネスマッチングイベント。インフォーマ・マーケッツ・タイランドのマヌー・リアオパイロート会長は、単なる展示会ではなく、『Business & Technology Platform』として、タイ企業を先進製造技術、自動化、AI、新時代のサプライチェーンに対応するグリーンソリューションと結び付ける場でだとし、『Sourcing Innovation, Shaping Tomorrow』のコンセプトのもと、タイの産業の国際競争力の強化につなげていきたいと述べた。

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