2026年7月23日(木)号

レムチャバン港第3フェーズを加速=鉄道・水運を接続、物流費削減へ

 ピパット・ラチャキットプラカン副首相兼運輸相[=写真左]]は7月20日、タイ港湾公団(PAT)を視察し、レムチャバン港開発第3フェーズの工事を加速するよう指示した。鉄道、道路、水運を接続して物流費を引き下げるほか、バンコク港や地方港湾の機能を高め、PATをタイの貿易・投資を支える経済基盤に育てる。


 サンペット・ブンヤマニー運輸副大臣[=写真右]、チャヤタム・プロムソーン運輸次官らが同行した。PAT側はデーチャー・プルックパタナラック理事長、ラッタコーン・キアオパイサーン副総裁(総裁代行)らが事業実績を報告した。
 ピパット副首相は、港湾を世界の貿易や投資、観光、物流とタイ経済を結ぶ「貿易の玄関口」とする方針を示した。水運と港湾は物流費の削減や競争力の向上に加え、国民に幅広い経済機会をもたらす中核的な役割を担うと説明した。
 PATは国内の深海港市場で85%を超えるシェアを持つ。レムチャバン港は2025年の世界コンテナ港ランキングで18位に入った。PATの2025年度の総収入は167億5600万バーツ超、純利益は70億9600万バーツ超だった。
◆レムチャバン港、2031年にF1埠頭
 政府はレムチャバン港開発第3フェーズについて、関係機関に工程表に沿って工事を急ぐよう求めた。大型貨物船の受け入れ能力を高め、世界貿易の拡大や東部経済回廊(EEC)への投資増に対応する。
 7月10日時点の進捗率は、海上工事が98.39%を超えた。埠頭建物、道路、公共設備の工事は22.84%となった。F1埠頭は2031年の供用開始を目指す。
 ピパット副首相は、国益と透明性を重視し、全ての工程を検証できる体制を確保するよう指示した。工事上の問題は関係機関が連携して解決する。
◆鉄道輸送への転換を拡大
 PATとタイ国鉄(SRT)には、レムチャバン港の単一鉄道積み替え施設(SRTO)の開発を指示した。鉄道、道路、水運による貨物輸送を接続し、輸送時間の短縮や物流費の引き下げを図る。
 トラック中心の道路輸送から鉄道や水運へのモーダルシフトも広げる。道路を走るトラックを減らし、将来的な商品価格や生活費の低下につなげる。
 港内の交通渋滞には、バッファーゾーンの運用やトラック予約システム、情報技術を使った待機列管理で対応する。電動レール式門型クレーン(RMG)とタイヤ式門型クレーン(RTG)も導入し、鉄道貨物の荷役能力を高める。
◆バンコク港の再開発を検討
 ピパット副首相は、バンコク港を世界水準の玄関港「ワールドクラス・ゲートウェー・ポート」に再開発する構想を示した。都心にある立地を生かし、経済、観光、国際会議・展示会、芸術・文化、娯楽などの機能を取り込む。
 経済効果だけでなく、地域住民の生活や環境にも利益をもたらす開発を想定する。PATには事業化の可能性を詳しく調べるよう指示した。
 地方港湾についても、国際輸送や貿易を結ぶ拠点として機能を強化する。将来の貨物量の増加に備え、地域への投資や雇用の拡大につなげる。
◆クロントイ住民の生活改善
 港湾開発では、国際競争力を備えた「ワールドクラス・ポート」と、環境負荷を抑える「グリーン・ポート」の両立を目指す。デジタル技術を港湾管理に活用し、サービス水準を高める一方、地域社会や環境への影響を抑える。
 サンペット運輸副大臣は、バンコク港があるクロントイ地区と周辺地域の住民について、長期的な生活の質の改善を重視する考えを示した。港湾開発によって生まれる雇用や事業機会を地域住民が実際に利用できる仕組みをつくる。
 ラッタコーン総裁代行は、各部門が工程表に沿って事業を進め、ガバナンスと透明性を確保しながら進捗を管理すると述べた。

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