2024年8月19日(月)号

ペートンターン氏が首相就任=18日に国王認証式

 8月16日に新首相に選出されたペートンターン・チナワット氏は18日、国王認証式に臨み、第31代首相に正式就任した。新首相は自身の持てる能力を最大限に発揮して国政を担っていくと決意表明した一方で、組閣については「連立政権はすべてのタイ人の利益のためにタイを前進させるべく働く準備ができている」と述べるにとどめている。新内閣が発足すればペートンターン首相が国会で所信表明に臨むことになる。


 国会下院は16日午前10時から首相指名のため会議を開き、与党議員291人が推挙したペートンターン氏に賛成か反対かの多数決をとった。非議員の同氏は議場外で結果を見守った。採決では野党のタイサーンタイ党議員が賛成票を投じたほか、民主党が棄権に回っており、連立組み替えの可能性もささやかれている。
 消息筋は与党第3党のパランプラチャーラット党(40議席)を連立から外す画策があると伝えている。同党はプラウィット・ウォンスワン党首派とタマナット・プロムパオ幹事長派の派閥争いがあり、党分裂の可能性が報じられている。
 ペートンターン政権の組閣には時間がかかるとの見方がある。セーター首相失職の理由が憲法の倫理規定違反であるため、国務大臣の任命にはこれまで以上に資格審査に慎重にならざるを得ない。経済界は政策継続の観点から主要閣僚の留任を求めているが、連立を組む各党の事情もあり、大幅な入れ替えが予想されている。セーター前政権が4月の内閣改造で経済チームを率いる副首相兼財務相に任命した民間人のピチャイ・チュンハワチラ氏は、閣外に去る可能性が高いと見られている。

スリヤ副首相兼運輸相=大鷹大使と会談

 スリヤ・ジュンルンルアンキット副首相兼運輸相は8月13日、大鷹正人駐タイ大使と会談し、電車事業に対する日本の技術支援と日本企業の投資誘致で協力を要請した。特に「自動案内軌条式旅客輸送システム(AGT)」と呼ばれる日本の自動運転システムに強い関心を示した。
 技術協力では電車レッド線の車両、路線の補修に関し、日本の民間企業との提携実現への協力を申し入れた。また同線延伸区間入札への日系企業の参加も呼びかけた。延伸区間はバンスー~パヤタイ~マッカサン~フアマーク線、バンスー~フアラムポーン線、ランシット~タマサート大学線、シリラート~タリンチャン~サラヤー線の4路線。運輸省が詳細を詰めている。
 AGTは1981年に神戸ポートアイランド線で初めて本格導入されたシステム。現在までに世界8か国の25路線が運行している。アジアではシンガポール、台湾などが先駆的に採用した。同システムへの投資額は世界で1700億㌦に達している。タイではすでにゴールド線での採用が決まっている。スリヤ大臣はブラウン、グレー、シルバーの各線での実用化を強く希望している。
 運輸省ではこれまでも運輸交通政策企画事務局とタイ国鉄(SRT)の子会社SRTエレクトリファイド・トレイン社が日本の独立行政法人・都市再生機構(UR)と提携し、バンスー駅周辺のスマートシティ開発に取り組んでいる。スリヤ氏は、「電車駅周辺の開発はアセアンの運輸ハブを目指すタイにとって重要課題で、バンスー駅のスマート化は大きな鍵を握る」と述べている。
 一方、国土交通省との間では、タイの国道/高速道路の開発・改善に関する技術協力で提携し、これまでに視察団の受け入れなどを積み重ねてきている。特に交通管制信号のスマート化では、SCADAシステム(監視制御システム)の導入を前提にした協議を進めるほか、トンネル・橋梁の建設でも技術的な協力関係を築いている。

その他のニュース
[経済ニュース]

工業部門信頼感指数=4か月ぶりに改善

プームタム副首相=EECエリアを視察

デジタル化/エコ化で=2つのモデル工業団地

ファーウェイ=ICTサミット開催

タイ証券取引所(SET)=3銘柄の上場取消を決定

クルンタイ銀行=仮想銀行免許を申請へ

タクシン元首相=恩赦で刑期満了

社会開発・人間安保省=物乞い拒否キャンペーン

都庁のフードバンク事業=130万食を6.7万人に支給

サイアムクボタ=スマートファーマー育成

タバコ副流煙=死者数は年間9400人超

[閣議決定]
24年8月13日

[トピックス]
OECD加盟で準備会議を開催

[為替・株式相場]

8月13~16日

[商品・金融市場データ]

燃油小売り価格

天然ゴム相場

8月16日の為替レート

商業銀行預金金利

商業銀行貸出金利

PDF完全版の定期購読はこちらから↓

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次