2026年3月30日(月)号

首相が燃料政策転換を謝罪=危機長期化に備え支援重視へ転換

 アヌティン首相は3月28日午前、首相官邸において、「世界危機1か月:これまでと異なる世界におけるタイの対応計画」をテーマに第1回「Meet the Press」を開催し、報道関係者と国民に対し謝意を示した[=写真]。今回の対話は政府の方向性について共通理解を形成し、十分な質疑の機会を設けることを目的としていると述べた。首相が全体像を説明し、その後、副首相と各省大臣が所管分野の詳細を説明した。首相は、国民、報道機関、すべての関係者に対し、正確な情報の共有、買い占めや消費者への不当行為の監視への協力を求めた。政府は違反者に対し厳格に法的措置を講じるとともに、省エネを促進し、タイがこの状況を共に乗り越えられるようにすると述べた。


 首相は、中東の対立がほぼ1か月にわたり続いている状況について言及し、世界のエネルギー安全保障に影響を及ぼしていると述べた。石油価格は上昇し、多くの国が燃料不足に直面し、省エネ措置を実施している。現在、状況はほぼ変わっておらず、当事国間で交渉の試みが行なわれているが、明確な好転の兆しはみられない。このため、タイを含む各国は、長期化の可能性がある危機を持ちこたえるための適応が必要と訴えた。国民レベルでは生活様式の調整を意味し、政府レベルでは行政対応の調整を意味するとした。
 首相は、燃料価格の固定措置の撤回について謝意を表し、当初は危機が長期化しないと考えていたと説明した。しかし状況がより明確になったため、政府は方針を調整し、影響の緩和に重点を置くことにした。特に低所得者、農業、運輸、漁業、工業事業者への影響を抑え、国民の生活費負担を最小限にすることを目指すと述べた。
 危機対応の枠組みとして、戦闘状況管理追跡センターを通じ、政府は、①外交、②エネルギー安全保障、③商品管理、④国民への影響軽減を重視していることを示し、すべての関係機関が全力で取り組んでいると強調した。
 外交面では、外務省が各国との交渉を急いでおり、海上輸送問題にも対応している。最近ではイランとの交渉が成功し、タイの石油タンカーがホルムズ海峡を安全に通過できるようになった。これにより原油供給への懸念が一定程度緩和され、一部の石油輸送はより迅速にタイに到着するとした。
 国内の石油状況について、首相は、一部地域で発生していた給油所での燃料不足は緩和しつつあると述べた。センターが各機関と緊密に連携し、輸送回数と時間を増やし、備蓄油の投入、買い占めの取り締まりを進めている。価格固定措置の終了もあり、買いだめや不正取引の動機が減少し、赤字状態にある石油基金の負担軽減にもつながっていると説明した。
 ただし、価格固定の終了は完全な自由化を意味するものではなく、政府は適切な水準で石油基金を通じた補助金措置を続けている。近隣国への不正流出は減少し、国内供給は維持され、価格も適正水準に保たれているとした。
 現在の燃料消費量は1日当たり約8200万㍑で、3月1日以前の約6700万㍑から増加している。首相は国民に対し、パニックにならないよう協力を求め、国内の燃料供給は需要を満たしているとした。また、タイの燃料価格は依然としてアセアン諸国の多くより低い水準にあるとした。
 燃油不足問題が緩和に向かうなか、政府は引き続き生活費問題、とりわけ脆弱層への対応を重視している。商業省はすでに66品目の統制商品を設け、「タイ助け合い」、「青旗(トンファー)店」プロジェクトを通じて追加措置を実施する。4月1日から販売を開始し、日常生活費の負担軽減を図る。なお、これらの措置は基礎的必需品を対象としており、その他の商品・サービスは市場メカニズムに従い価格が調整される可能性があると付け加えた。
 国民への影響軽減策として、燃油の物品税引き下げ、国家福祉カード保持者への追加給付、運輸・農業・漁業支援、中小企業向け融資支援などの緊急措置を承認しており、経済を下支えし、各部門への影響を軽減するとした。
 首相は、政府がエネルギー安全保障の強化、脆弱層への影響軽減、経済全体の維持に取り組み、今回の危機を乗り越えると強調した。また、新政権の樹立と所信表明を終えれば、予算と政策面でより十全な対応が可能になると述べた。
 製油所は引き続き海外からの石油輸入を継続しており、燃料の配分も効率的に管理されていると強調した。特にソンクラン期においても、国内供給は需要に対して十分なことを確認済みだと述べた。

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