6日にタイ・中国首脳会談=コールセンター詐欺対策で連携
中国を訪問中のペートンターン首相は2月6日の現地時間午前10時、人民大会堂で習近平国家主席と会談した[=写真]。貿易・投資の拡大や国際的な犯罪対策をはじめとする、さまざまな分野での協力強化について議論し、両国の未来志向の協力に向けた意欲を示した。習氏はタイとの経済・文化交流の推進を約束し、両国の市民レベルでの協力強化に言及した。

ヂラユ・フアンサップ政府報道官によれば、習主席は首相を敬意をもって迎え、タイと中国の50年の関係をすべての側面で発展させるための協力に意欲を表明した。また、両国間の貿易と投資を支援し、国際的な犯罪問題に対処するための協力を約束した。タイ政府がコールセンター・ギャングのネットワークを断つため、ミャンマー国境のミャンマー領内への水道や電力の供給を停止したことを称賛し、中国があらゆる形態の犯罪に対し協力に前向きなことを伝えた。
ペートンターン首相はタイと中国の関係が50周年を迎えた特別な年に中国を訪れることができたことを大変うれしく思うと述べた。中国がタイの重要な経済パートナーで、12年連続でタイの最大の貿易相手国になっていることを紹介した。また、中国はタイに投資する主要な投資国の一つで、ここ数年の投資額が1000億㌦を超えていることからもタイと中国が特別な関係を持っていることが分かるとした。今後も両国がさらに50年にわたり共に繁栄を目指し、次世代に向けて協力を続けていくことを約束した。
習主席は、タイと中国が50年間にわたる協力の原則とビジョンとして「共通の繁栄」を共有してきたことを強調した。タイの役割を二国間、多国間、地域協力枠組みのすべてで支持しており、さらなる協力の拡大を提案したいと述べた。高速鉄道の開発、デジタル経済、東部経済回廊(EEC)、タイ・ラオス・中国の経済協力の活用などの分野において協力を推進する意向を示した。タイの民間セクターをあらゆる面で支援することも約束した。中国が「中国国際輸入博覧会」を開催することを伝え、両国間の貿易における重要イベントであり、タイの優れた商品とサービスの輸入を支援するとした。軍事協力に関しても、タイと中国が潜水艦プロジェクトをきっかけに協力を開始したことにも触れた。
ペートンターン首相はタイと中国の接続に関する協力の進展に言及した。政府が2月4日の閣議でタイ・中国高速鉄道の第2フェーズ(ナコンラチャシマ~ノンカイ区間)の実施を決定したことを伝えた。首相はカジノを含む複合娯楽施設や南部ランドブリッジなどのメガ・プロジェクトを計画していると伝えた。また、農産物を中心とした商品の輸出入を円滑にするために、税関管理の共通基準の策定を提案した。
首相は、タイ政府が国民と観光客の安全を最優先に考えていることを示し、中国との協力を進め、タイを通過する犯罪行為を取り締まるための努力を続ける用意ができていると表明した。両国が協力メカニズムを通じて警告を発し、体系的に犯罪を阻止することを確認した。首相は、両国と地域の関係国が国際的な犯罪、特にコールセンター詐欺対策に取り組んでおり、密接な協力が進んでいることは喜ばしいことだと述べた。
習主席は、中国がオンライン詐欺、誘拐、人身売買の取り締まりを支持しており、中国人民の利益を損なう行為と考えていると述べた。両国の主要な目標は違法行為を取り締まることだとし、これまでに中国が隣国や地域と協力し、麻薬の取り締まりで成功を収めていることを示した。また、タイ政府が水道、電力、インターネット、石油の供給を停止するなど犯罪活動のネットワークを断つために尽力していることを称賛した。両国の市民の安全と利益を守るため、捜査機関が法の執行を強化し、二国間および地域レベルでの協力を一層進めていきたいと述べた。
中国は市民レベルでの協力を強化するため、タイと中国の50周年を記念した仏牙舎利(釈尊の歯)の一時的なタイへの貸与、古代遺物の展示交換、ジャイアント・パンダの貸与、若い世代間の交流の促進、奨学金の提供、文化交流やソフトパワーの促進にあたっている。習主席は、文化協力により交流と学びの機会が広がり、世代を超えて協力を受け継いでいくことが両国の協力にとって重要だと述べた。
首相は、中国が人材開発の重要性、特に未来産業分野における協力の重要性を認識していることを歓迎した。人こそがタイ・中国の関係の未来を築くとし、教育、文化、ソフトパワーの交流を進め、共通の未来に向けてタイと中国の強固な基盤を築きたいと話した。
習主席との会談を終えたペートンターン首相は、全国人民代表大会常務委員長の趙楽際氏と会談した。その後、天安門広場の英雄記念碑で花輪を捧げる儀式に参加した。
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UOBタイ銀行とEEC事務局
タイへの投資促進で覚書
UOBタイ銀行は2月3日、東部特別開発区政策委員会事務局(EEC事務局)と覚書を締結した。EEC地域への投資誘致を支援する。UOBが持つ広範なアセアン域内のネットワークを活用し、タイ経済の長期的な成長を支援することも視野に入れている。
両者は、それぞれの専門知識やリソースを活用して外国人投資家のニーズに合った金融ソリューションやコンサルティングサービスを提供する。投資プロセスの円滑化、ビジネス環境の利便性の向上、タイの経済開発戦略に沿った主要産業の振興で協力する。ターゲットは次世代自動車、医療/ヘルスケア、デジタル・イノベーション、グリーン経済、環境配慮型サービス。
UOBタイ銀行のリチャード・マロニー頭取[=写真中央左]は、国内外の投資家に包括的な支援を提供し、タイが引き続きイノベーションと開発の主要拠点としての地位を維持できるよう尽力したいと語った。
EEC事務局のチュラ・スックマノップ事務局長[=写真中央右]は、UOBタイ銀行の強固な事業基盤とアセアン全域に広がるネットワークはEECと投資家を結びつけるうえで重要な役割を果たすとコメントした。
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