SETの「JUMP+」始動=ESG開示で企業価値向上と信頼強化
上場企業のポテンシャル向上と企業価値の増大を目指すタイ証券取引所(SET)は、「JUMP+」プロジェクトの概要を明らかにした。投資家の信頼を構築し、長期的なタイ資本市場の強化を図るために、「環境・社会・ガバナンス(ESG)」に関する推進計画を企業が打ち出し、投資家に開示するとともに、その進捗状況についても投資家が随時確認できるようにするもので、計143社の上場企業が参加している。そのうち93社がすでに投資家向けに計画を発表、4月17日までに全参加企業の発表が完了した。
SETのアサデート・コンシリ所長[=写真]によれば、SETは「The Trusted Gateway to Inclusive Opportunities(すべての人に機会をもたらす信頼のゲートウェイ)」をビジョンに掲げている。JUMP+はこのビジョンに基づいて、信頼される市場の構築、高品質な商品の提供、優れたコーポレート・ガバナンスの維持というミッションを反映した重要な戦略の一つとなる。投資家が十分な情報に基づいて判断できる環境を整えるとともに、上場企業の価値向上と持続可能な成長を支援することで、市場参加者の能力強化を促す。参加企業143社の内訳は、SET上場企業が87社、mai上場企業が56社で、多様な規模・業種の企業が含まれている。アダデート所長は、持続的な成長に向けた企業価値向上に対する上場企業の強い意欲を示していると指摘する。

「JUMP+は、タイ資本市場の魅力を高めるという課題に応えるための旗艦プロジェクト。上場企業が企業価値向上のための長期目標と計画を策定し、投資家と継続的に対話することを奨励している。参加企業は、2026~28年の3年間の計画を作成し、定量・定性の両面から目標を設定する必要がある。これには事業計画、ガバナンス計画、温室効果ガス管理計画が含まれる」と説明した。
これまでに提出された143社の事業計画のうち、138社(96%)が売上または利益の成長目標を掲げており、その達成に向けた戦略として合計278の施策が示された。これらは「成長(Growth)」、「収益性と効率性(Profitability and Efficiency)」、「財務の安定性(Financial Stability)」の3つの側面をカバーしている。ガバナンス面では272の施策が提案され、その半数以上が汚職防止の強化、内部告発制度の拡充、内部情報の利用防止に関するものであり、ガバナンス重視の姿勢が鮮明となっている。また、参加企業の80%にあたる114社が、任意で「気候変動対策計画(Climate Action Plan)」を策定しており、上場企業のESGに対する関心の高さが伺える
今後、各企業は少なくとも6か月ごとに進捗状況を報告し、投資家に周知しなければならない。投資家は進捗発表の際、経営陣に直接質問することが可能なほか、SETウェブサイト内の「JUMP+」メニューから詳細を確認することもできる。なお、外部要因などにより計画の遂行に影響が出る場合、取締役会の承認を得たうえで目標や計画を変更できるが、その内容は投資家に開示・説明しなければならない。
SETは、JUMP+参加企業に対しても、他の上場企業と同様の基準で情報開示および売買の監督を行なう。今後、参加企業は策定した計画を実行し、投資家と定期的なコミュニケーションを図っていく。SETは「JUMP+インベスター・デー」などのイベントを通じた企業の認知度向上(Corporate Visibility)支援や、計画を効率的に遂行するための各種研修、投資家との対話能力向上のためのプログラムを、資本市場のパートナーネットワークと連携して提供していく。
JUMP+プロジェクトに参加している上場企業の一覧は「www.set.or.th/th/market/information/jump-plus/companies-list」、各社のJUMP+計画のプレゼンテーションは、「https://opportunity-day.setgroup.or.th/th/jump-plus」で確認できる。
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