2026年4月28日(火)号

SETの「JUMP+」始動=ESG開示で企業価値向上と信頼強化

 上場企業のポテンシャル向上と企業価値の増大を目指すタイ証券取引所(SET)は、「JUMP+」プロジェクトの概要を明らかにした。投資家の信頼を構築し、長期的なタイ資本市場の強化を図るために、「環境・社会・ガバナンス(ESG)」に関する推進計画を企業が打ち出し、投資家に開示するとともに、その進捗状況についても投資家が随時確認できるようにするもので、計143社の上場企業が参加している。そのうち93社がすでに投資家向けに計画を発表、4月17日までに全参加企業の発表が完了した。
 SETのアサデート・コンシリ所長[=写真]によれば、SETは「The Trusted Gateway to Inclusive Opportunities(すべての人に機会をもたらす信頼のゲートウェイ)」をビジョンに掲げている。JUMP+はこのビジョンに基づいて、信頼される市場の構築、高品質な商品の提供、優れたコーポレート・ガバナンスの維持というミッションを反映した重要な戦略の一つとなる。投資家が十分な情報に基づいて判断できる環境を整えるとともに、上場企業の価値向上と持続可能な成長を支援することで、市場参加者の能力強化を促す。参加企業143社の内訳は、SET上場企業が87社、mai上場企業が56社で、多様な規模・業種の企業が含まれている。アダデート所長は、持続的な成長に向けた企業価値向上に対する上場企業の強い意欲を示していると指摘する。


 「JUMP+は、タイ資本市場の魅力を高めるという課題に応えるための旗艦プロジェクト。上場企業が企業価値向上のための長期目標と計画を策定し、投資家と継続的に対話することを奨励している。参加企業は、2026~28年の3年間の計画を作成し、定量・定性の両面から目標を設定する必要がある。これには事業計画、ガバナンス計画、温室効果ガス管理計画が含まれる」と説明した。
 これまでに提出された143社の事業計画のうち、138社(96%)が売上または利益の成長目標を掲げており、その達成に向けた戦略として合計278の施策が示された。これらは「成長(Growth)」、「収益性と効率性(Profitability and Efficiency)」、「財務の安定性(Financial Stability)」の3つの側面をカバーしている。ガバナンス面では272の施策が提案され、その半数以上が汚職防止の強化、内部告発制度の拡充、内部情報の利用防止に関するものであり、ガバナンス重視の姿勢が鮮明となっている。また、参加企業の80%にあたる114社が、任意で「気候変動対策計画(Climate Action Plan)」を策定しており、上場企業のESGに対する関心の高さが伺える
 今後、各企業は少なくとも6か月ごとに進捗状況を報告し、投資家に周知しなければならない。投資家は進捗発表の際、経営陣に直接質問することが可能なほか、SETウェブサイト内の「JUMP+」メニューから詳細を確認することもできる。なお、外部要因などにより計画の遂行に影響が出る場合、取締役会の承認を得たうえで目標や計画を変更できるが、その内容は投資家に開示・説明しなければならない。
 SETは、JUMP+参加企業に対しても、他の上場企業と同様の基準で情報開示および売買の監督を行なう。今後、参加企業は策定した計画を実行し、投資家と定期的なコミュニケーションを図っていく。SETは「JUMP+インベスター・デー」などのイベントを通じた企業の認知度向上(Corporate Visibility)支援や、計画を効率的に遂行するための各種研修、投資家との対話能力向上のためのプログラムを、資本市場のパートナーネットワークと連携して提供していく。
 JUMP+プロジェクトに参加している上場企業の一覧は「www.set.or.th/th/market/information/jump-plus/companies-list」、各社のJUMP+計画のプレゼンテーションは、「https://opportunity-day.setgroup.or.th/th/jump-plus」で確認できる。

その他のニュース
3月の自動車生産台数=13万3413台、7か月連続増

3月の二輪車生産台数=18万3794台、15.16%減

CPグループのバーチャル銀行=子会社再編に社外取締役が反対

政策金利は1%据え置き濃厚=中東リスクで中銀は様子見

インフレ懸念=タイ債券市場に圧力

アセアン財務相・中銀総裁会議=金融統合と域内連携強化で一致

タイ・中国外相会談で連携強化=EV・再エネなど協力拡大

都市鉄道の運賃40バーツ=民間から事業権買い戻し

土地・建物税の納付期限延長=分割払いで負担軽減

パーム価格下落に対策強化=監視と需要拡大で下支え

運河クルーズで観光強化=体験型ルートで都心の魅力発信

飼料用トウモロコシ栽培=土壌分析で収益倍増・排出減

中国のスマート農業=脅威と機会

ハートティップ=今年度売上目標は85億バーツ

[社会ニュース]
議員暗殺未遂事件=実行犯逮捕も黒幕不明

タークワイ遺跡=修復と観光開発は来年度以降に

運河沿いで発砲事件=女性教師死亡、1人負傷

給油所で車が店舗に突入=客や従業員ら12人負傷

公務員の医療補助見直し=初任給引き上げと引き換えに

[論調]
エネルギー危機と低成長が突きつける現実
問われる財政規律と成長戦略

[データ]
2026年3月の自動車生産台数

あわせて読みたい
無料トライアル 【無料トライアルのご案内】 タイ経済パブリッシングは毎日(土日祝を除く)、A4サイズのPDF版ニュースレターを定期購読者様にメール配信しております。 購読料金...
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次