3月の輸出は過去最高を更新=AI需要追い風も貿易赤字拡大
商業省が4月24日に発表した3月の物品輸出額は351億5710万㌦(約1兆874億6000万バーツ)となり、過去最高を更新した。商業政策戦略事務局(TPSO)のナンタポン・ヂララートポン事務局長によると、輸出は前年同月比18.7%増と、21か月連続で拡大した。石油関連製品・金・武器を除くと、伸び率は19.3%となった。主な牽引役は、AIやデータセンター関連需要の拡大を背景にした電子・電気製品で、加えて米国の関税措置が短期的に緩和されたことも追い風となった。農産品・食品分野も、ドリアンやマンゴスチン、豚肉、ペットフードなどが好調で、力強い成長を示した。一方で、ホルムズ海峡周辺の緊張による輸送停滞の影響が中東市場で表れ始め、同地域向け輸出は収縮に転じた。今年第1四半期(1〜3月)の輸出は前年同期比17.6%増、石油関連製品などを除くと17.0%増となった。
貿易額をみると、3月の輸出は351億5710万㌦(前年同月比18.7%増)、輸入は384億9660万㌦(同35.7%増)となり、貿易収支は33億3950万㌦の赤字となった。第1四半期では、輸出が961億6990万㌦(同17.6%増)、輸入が1056億4640万㌦(同32.4%増)で、貿易赤字は94億7660万㌦となった。
農産品・農産加工品の輸出額は前年同月比1.1%増となり、3か月ぶりに増加へ転じた。農産品が10.7%減と8か月連続で縮小した一方、農産加工品は14.0%増と3か月ぶりに増えた。
ペットフードは4.0%増で7か月連続の増加(主に日本、オーストラリア、マレーシア向けが増加)、鶏肉調製品は4.9%増で4か月連続の増加(主に日本、オランダ、シンガポール向けが増加)、砂糖は15.8%増で5か月ぶりに増加(主にインドネシア、マレーシア、ラオス向けが増加)した。動植物油脂は250.8%増で8か月連続の増加(インド、マレーシア、ミャンマー向けが増加)、生鮮ドリアンは14.5%増で4か月連続の増加(中国、香港、台湾向けが増加)、ジャスミン米は3.8%増で3か月連続の増加(米国、カナダ、シンガポール向けが増加)、香辛料・ハーブは29.9%増で23か月連続の増加(パキスタン、オランダ、インド向けが増加)、生鮮マンゴスチンは491.1%増で4か月連続の増加(中国、アラブ首長国連邦、ドイツ向けが増加)となった。
一方、天然ゴムは21.6%減で11か月連続の減少(中国、米国、ブラジル向けで減少した一方、マレーシア、日本、ベトナム向けは増加)、缶詰・加工水産物は2.0%減で3か月連続の減少(サウジアラビア、イスラエル、韓国向けで減少した一方、米国、日本、オーストラリア向けは増加)、タピオカ製品は17.2%減で9か月連続の減少(中国、米国、マレーシア向けで減少した一方、日本、台湾、韓国向けは増加)、飲料は5.9%減で2か月連続の減少(中国、米国、インド向けで減少した一方、ベトナム、ミャンマー、ラオス向けは増加)、冷蔵・冷凍鶏肉は30.0%減で3か月連続の減少(日本、中国、アラブ首長国連邦向けで減少した一方、マレーシア、韓国、香港向けは増加)、食肉は22.8%減で12か月連続の減少(日本、英国、ミャンマー向けで減少した一方、ラオス、香港、ドイツ向けは増加)だった。
第1四半期の農産品・農産加工品の輸出は、前年同期比2.1%減となった。
工業製品の輸出額は前年同月比21.4%増となり、24か月連続で拡大した。
コンピュータ・同部品は34.2%増で24か月連続の増加(主に米国、シンガポール、マレーシア向けが増加)、宝飾品(金を除く)は86.4%増で前月の減少から上向いた(インド、ドイツ、日本向けが増加)。電話機・同部品は166.6%増で10か月連続の増加(米国、シンガポール、メキシコ向けが増加)、機械・同部品は16.6%増で11か月連続の増加(米国、日本、シンガポール向けが増加)、鉄鋼・同製品は35.9%増で11か月連続の増加(米国、インド、日本向けが増加)、変圧器・同部品は29.6%増で18か月連続の増加(米国、メキシコ、チェコ向け増加)となった。
一方で、自動車・同部品は3.5%減で4か月ぶりの減少(日本、マレーシア、ベトナム向けで減少した一方、オーストラリア、米国、インドネシア向けは増加)となった。合成樹脂は13.0%減で9か月連続の減少(中国、インド、日本向けで減少した一方、マレーシア、トルコ、南アフリカ向けは増加)、化粧品・石けん・スキンケア製品は4.3%減で2か月連続の減少(日本、中国、ラオス向けで減少した一方、ベトナム、フィリピン、ミャンマー向けは増加)、木材・木製品は5.3%減で11か月連続の減少(ベトナム、サウジアラビア、オランダ向けで減少した一方、中国、日本、米国向けは増加)となった。
第1四半期の工業製品輸出は、前年同期比21.3%増となった。
*輸出市場
3月の輸出を仕向け地別にみると、主要輸出市場は、全体として堅調な拡大が続いた。米国、EU、アセアン(5)といった主要市場では、コンピュータ・同関連機器が主要なけん引役となったほか、南アジアやオセアニアなどの新興市場でも高い伸びがみられた。一方で、中国やCLMV、中東市場では、地政学的緊張や紛争の影響による物流の混乱などから課題がみられた。
主要市場向けは前年同月比20.2%増となり、米国が41.9%増、日本が9.1%増、EUが21.9%増、アセアン(5)が25.0%増とそれぞれ拡大した一方、中国は1.1%減、CLMVは0.1%減となった。
新興市場向けは21.6%増となり、南アジアが123.3%増、オセアニアが56.2%増、アフリカが5.0%増、中南米が26.2%増、英国が14.6%増と拡大した一方、中東は57.1%減、ロシア・CISは38.9%減となった。その他市場は35.4%減だった。
米国向け輸出は41.9%増と30か月連続で拡大した。コンピュータ・同部品、通信機器、航空・宇宙関連製品が増加した一方、宝飾品、ゴム製品、ペットフードは減少した。第1四半期は41.8%増となった。
中国向けは1.1%減と4か月ぶりに減少した。コンピュータ・同部品、天然ゴム、タピオカ製品が減少した一方、銅製品、ゴム製品、通信機器は増加した。第1四半期は9.8%増となった。
日本向けは9.1%増と4か月連続で拡大した。電気回路保護機器、化学製品、銅製品が増加した一方、自動車・同部品、合成樹脂、天然ゴムは減少した。第1四半期は7.2%増だった。
EU向けは21.9%増と7か月連続で拡大した。コンピュータ・同部品、鉄鋼製品、宝飾品が増加した一方、機械、鶏肉調製品、天然ゴムは減少した。第1四半期は20.1%増となった。
アセアン(5)向けは25.0%増と10か月連続で拡大した。コンピュータ・同部品、通信機器、宝飾品が増加した一方、エアコンや合成樹脂は減少した。第1四半期は24.3%増だった。
CLMV市場向けは前年同月比0.1%減となり、7か月連続で縮小した。宝飾品、自動車・同部品、合成樹脂が減少した一方、石油製品、畜産品、機械・同部品は増加した。第1四半期は6.3%減となった。
南アジア市場は123.3%増と、前月の収縮から拡大に転じた。宝飾品、動植物油脂、プラスチック製品が増加した一方、化学製品、エアコン・同部品、銅製品は減少した。第1四半期は21.9%増だった。
オセアニア市場は56.2%増と5か月連続で拡大した。宝飾品、自動車・同部品、鉄鋼製品が増加した一方、合成樹脂、ゴム製品、洗濯機・同部品は減少した。第1四半期は51.7%増。
中東市場は57.1%減と4か月ぶりに減少した。自動車・同部品、宝飾品、米が減少した一方、石油製品、ペットフード、小麦製品・加工食品は増加した。第1四半期は13.2%減となった。
アフリカ市場は5.0%増と2か月連続で拡大した。砂糖、自動車・同部品、化学品が増加した一方、米、その他金属製品、内燃機関・同部品は減少した。第1四半期は7.4%増となった。
中南米市場は26.2%増と4か月連続で拡大した。通信機器、変圧器・同部品、自動車・同部品が増加した一方、エアコン・同部品、天然ゴム、合成樹脂は減少した。第1四半期は22.2%増となった。
ロシア・CIS市場は38.9%減と2か月連続で減少した。航空機・同部品、機械、缶詰・加工水産物が減少した一方、ゴム製品、通信機器、自動車・同部品は増加した。第1四半期は25.3%減となった。
英国市場は14.6%増と3か月連続で拡大した。自動車・同部品、機械、二輪車・同部品が増加した一方、コンピュータ・同部品、加工鶏肉、宝飾品は減少した。第1四半期は17.3%増となった。
*今後の展望
ナンタポン事務局長は、今後の輸出見通しについて、2026年も前年に続き拡大基調を維持すると見積もった。AI対応のコンピュータやスマートフォンの需要拡大や、産業分野での活用の広がりが主な支えとなる。一方で、ホルムズ海峡周辺の緊張の長期化による物流への影響やエネルギー価格の上昇に伴う生産コストの増加、貿易相手国の消費の減速、米国による新たな通商措置などのリスク要因も存在する。商業省は、関係機関と連携しながら状況を注視し、影響の緩和と問題解決に取り組むことで、輸出が引き続き成長を維持し、危機下でも機会を確実に捉えられるよう対応していくと語った。
首相が中国の王毅外相と会談=安全保障・経済で実務協力
中国の王毅外相は4月24日、訪タイの機会に、アヌティン首相兼内相を表敬訪問した[=写真]。首相は王毅外相に、好物であるドリアンとカオラームを振る舞い、終始和やかな雰囲気の中で会談が行なわれた。

会談後、ラチャダー・タナディレーク政府報道官が概要を説明した。首相は、中国政府と習近平国家主席が国際舞台においてタイを継続的に支持していることに謝意を示した。また、国王・王妃の中国公式訪問を通じ、両国関係の緊密さが改めて確認されたと述べ、中国が今後も「兄弟のような関係」に基づき、相互の信頼と尊重のもとでタイの発展を支援し続けることへの期待を示した。
一方、王毅外相は、首相就任後に表敬訪問できたことへの喜びを表明するとともに、タイ政府の経済運営と国家開発の潜在力に対する信頼を示し、タイ・中国関係は今後さらに強化されるとの見方を示した。また、習近平国家主席とその家族から、国王・王妃に対する親書と祝意を伝達し、中国はタイの安定性を信頼しており、長期的に信頼できる戦略的パートナーであり続ける用意があると強調した。
この機会に、双方はいくつかの重要議題について協議を行なった。
第1に、タイ・中国関係の高度化について、双方は関係をより深化した戦略的パートナーシップへ引き上げることで一致し、両国の開発戦略と整合する「共同行動計画」の策定を進め、あらゆる分野において具体的成果を生み出す方針を確認した。
第2に、ハイレベルの往来について、中国側はアヌティン首相に、2026年11月に中国が主催するAPEC首脳会議への出席と中国公式訪問を招請した。一方、タイ側は李強首相の訪タイを招請し、中国側は原則として受け入れ、現在日程調整が進められている。
第3に、タイ・カンボジア情勢について、王毅氏は関係は改善傾向にあるとの認識を示すとともに、両国関係が早期にさらに発展することへの期待を表明した。これに対し、タイ側は相互理解と協力促進の重要性を強調した。
第4に、安全保障と越境犯罪対策について、双方は安全保障協力の強化、とりわけ越境犯罪や詐欺集団対策の重要性で一致し、国民に広範な影響を及ぼす問題として、共同行動計画の重要項目の一つに位置付け、安全性と信頼の向上を図る方針を確認した。
第5に、具体的協力の推進について、双方は協力を政策レベルにとどめず、各種協力メカニズムや会合、共同活動を通じて、より実務的で具体的な形で前進させ、持続的な成果を創出していくことで一致した。
ラチャダー報道官は、「今回の協議は、タイと中国の緊密な関係と高い信頼関係を示すもので、単なる象徴的な関係にとどまらず、長期的に戦略的かつ実務的な協力を具体的に推進していくことを目指している」と述べた。
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