4月のインフレ率2.89%に加速=燃料高と食料価格上昇が押し上げ
商業省が5月6日に発表した、4月の一般消費者物価指数(CPI)は103.03ポイントとなり、一般インフレ率は2.89%へと上昇した。中東地域の紛争状況とホルムズ海峡封鎖の長期化により、国内燃油価格が大幅に上昇したことによるもので、その影響から公共交通料金も上昇した。また、調理済み食品価格は、事業者のコスト増が販売価格に転嫁されたことで上昇したほか、生鮮野菜の価格も猛暑の影響から上昇した。その他の商品・サービス価格については、インフレへの影響は比較的小さかった。
非食品・飲料物価は、前年比4.14%上昇した。主因は、燃料関連商品(軽油、ガソホール、ガソリン)、公共交通料金(航空運賃、スクールバス料金、バン運賃、高架鉄道運賃、エアコン付き路線バス運賃)、住宅賃料、清掃関連用品・サービス(ごみ収集サービス料、トイレ洗浄剤、食器用洗剤)の価格上昇にある。
一方で、パーソナルケア(洗顔フォーム、スキンケア製品、ヘアコンディショナー、デオドラント、シャンプー)、電気料金、ホテル宿泊料金、衣料品(男女・子ども用Tシャツ、男女用シャツ、男女用長ズボン)など価格が下落した商品もあった。
食品・飲料物価は0.98%上昇した。調理済み食品(惣菜、ぶっかけ飯、クイッティアオ)、生鮮野菜(ライム、キュウリ、ササゲ、青ネギ、パクチー、白菜、ホーリーバジル)、鶏卵、うるち米、鶏肉、非アルコール飲料(インスタントコーヒー、飲料水、コーヒー〔ホット/アイス〕)、魚介類(サバ、ライギョ)などの価格上昇による。
一方で、もち米、生鮮果物(マンゴー、マンゴスチン、ランブータン、ナムワーバナナ、ドラゴンフルーツ、ヤングココナツ)、ココナツなど、多くの商品は価格が下落した。
コアインフレ率は0.83%で、3月の0.57%から加速した。
4月の一般消費者物価は前月比2.75%上昇した。非食品・飲料物価が3.79%上昇したことによるもので、特に燃料(軽油、ガソホール、ガソリン)の価格上昇が影響した。中東地域の紛争状況の影響を受けた世界原油価格の上昇に連動している。また、航空運賃、バン運賃、スクールバス料金、エアコン付き路線バス運賃、小型バス・ソンテウ運賃、バイクタクシー料金などの公共交通料金も、燃料コストの上昇に伴い値上がりした。パーソナルケア(スキンケア製品、デオドラント、香水、口紅、洗顔フォーム)は、事業者による販促キャンペーン終了により価格が上昇した。
一方で、清掃関連用品(洗濯用品、食器用洗剤、床用洗剤、柔軟剤)、高速道路通行料、ホテル宿泊料金、一部のパーソナルケア用品(シャンプー、歯磨き粉、生理用品、ボディパウダー、ヘアコンディショナー)は価格が下落した。
食品・飲料物価は1.13%上昇した。生鮮野菜(ライム、キュウリ、ササゲ、白菜、トマト)と鶏卵価格の上昇によるもので、猛暑の影響によって市場への供給量が減少した。豚肉、鶏肉は、飼料コストと輸送費の上昇を受けて値上がりした。デリバリー食品は販促キャンペーン終了に伴い価格が上昇したほか、クイッティアオ、惣菜、ぶっかけ飯もコスト増を反映して値上がりした。
一方で、生鮮果物(マンゴー、ドラゴンフルーツ、ナムワーバナナ)、うるち米、焼き鶏、カレーペースト、炭酸飲料、インスタントココナツミルクなどは価格が下落した。
1~4月平均の一般消費者物価指数は、前年同期比で0.32%上昇した。
ナンタポン・ヂララートポン商業政策戦略事務局長[=写真]によると、5月の一般インフレ率は、引き続きプラスで推移すると予想される。中東地域における地政学的緊張やホルムズ海峡封鎖の長期化を背景に、世界の原油価格が高水準で推移しており、それに伴い燃油の国内小売価格も上昇している。調理済み食品価格も上昇している。事業者が複数のコスト上昇圧力を受け、販売価格へ転嫁している。また、飼料コストと輸送費の上昇により、豚肉や鶏肉の価格も上昇している。燃料価格が高止まりしているため、路線バス運賃と国内・国際航空運賃など、交通費も上昇している。さらに、事業者側のコスト圧力から、大手事業者が、消費財価格引き上げの動きを見せ始めている。

一方で、一般インフレ率を抑制する要因もある。政府は「タイチュアイタイ」プロジェクトなどを通じ、生活費負担軽減策を継続的に実施している。電力料金は前年比で低下している。5~8月期の燃料調整費(Ftチャージ)の引き上げがあるものの、6月には電力利用者支援策として、新たな電気料金体系が導入され、最初の200ユニットについては1ユニット当たり3バーツを超えない料金設定となる予定だ。
なお、商業省は今年通年の一般インフレ率の見通しを1.5~2.5%(中央値2.0%)としている。
一方、4月の生産者物価指数(PPI)は117.5ポイントとなり、前年同月比で9.1%上昇した。工業製品カテゴリーは10.7%上昇した。石油精製品、化学品・化学製品、ゴム/プラスチック製品、ならびに金・宝飾品(銀製アクセサリー、宝石アクセサリー)などその他工業製品の価格上昇による。鉱業製品カテゴリーは2.6%上昇した。農業・漁業製品カテゴリーは0.5%低下した。籾米、サトウキビ、果物(ドリアン、マンゴスチン、ココナツ)、生体豚、バナメイエビなどの価格下落による。
生産段階別では、完成品カテゴリーが6.0%上昇した。石油製品(灯油、重油)、消費財(金、宝飾品)などの価格上昇による。半製品(加工品)は18.6%上昇した。燃油価格の上昇による。原材料カテゴリーは1.0%上昇した。
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