2026年3月11日(水)号

政府がエネルギー使用削減を呼びかけ=公務員に在宅勤務を指示

 アヌティン政府は3月10日、エネルギー省の提案に基づく政府機関におけるエネルギー使用削減措置を了承した。中東紛争の激化を受け、各機関により厳格な省エネ対策の導入を求めた。
 アイヤリン・パンリット政府副報道官は、中東紛争がタイのエネルギー状況に与える潜在的影響に関し、アヌティン首相からの指示を閣議で了承したと述べた。公共サービスに影響しない部門では、政府機関と国営企業に在宅勤務を直ちに実施するよう指示した。海外視察や研修プログラムの停止も求め、職員にはオンライン形式で国際活動に参加するよう勧める。
 エネルギー省は「エネルギー・インシデント・コマンド・システム(エナジーICS)」センターを設置し、状況を緊密に監視するとともに、供給障害に備えた緊急対応策を準備していると述べた。タイの精製油の消費量は1日平均約1億2400万㍑。3月5日時点で、国内の石油備蓄は合計80億5500万㍑に達しているが、原油の多くを中東からの輸入に依存している。
 現在の備蓄は、法律に基づく備蓄と商業備蓄に分かれ、一定程度の国内エネルギー需要に対応できる水準にある。しかし、将来起こり得る状況に備えるため、エネルギー省は政府機関におけるエネルギー使用削減措置を提案した。効率的なエネルギー使用を促進するとともに、社会の他の部門に対して模範を示すことが目的だ。
 エアコンの使用を適正化し、温度を26~27度に設定する。半袖の服を着用し、儀礼的な行事を除いてスーツやネクタイの着用を控える。不要な照明や電気機器を消すなど、オフィスビルでの電力使用を削減する。コンピュータではエナジーセーバー・システムを使い、使用しないときは電源を切る。エレベーターの使用を減らし、近距離では階段の利用を促進する。紙やコピー機の使用を削減し、文書の電子化を推進する。オンライン会議の活用と適切な範囲での在宅勤務を促す。
 また、燃油の節約に関する措置として、車両の状態を定期的に点検する、適切な速度で運転する、相乗り(カープール)を促進する、エネルギー消費を抑えるため、移動計画を事前に立てるよう指示した。
 さらに、広報局に対し、テレビやラジオ、ソーシャルメディアなどと連携し、危機的状況下における省エネ運動を社会全体で推進するよう指示した。状況がさらに深刻化し、エネルギー供給に影響が及ぶ場合、追加の強制措置を提案する可能性もある。例えば、午後10時以降の広告看板、店舗看板や事業所の看板などの電力使用を控えることなどが検討されている。主要高速道路沿いを除き、給油所の営業時間を午後10時までとする措置も検討されている。
 アッタポン・リークピブン・エネルギー相は、仮に中東の緊張が90日以上続いた場合でも、タイには十分な燃料供給があり、対応可能だと述べている。政府は燃料輸入をより柔軟にする新たな措置も検討しているとした。
 同相によると、石油は現在も予定通り入荷されている。国内の石油ターミナルにおける貯蔵容量によって受け入れ量は左右される。一方、燃油の需要が急増していることを受け、買いだめを控えるよう呼びかけた。可燃性が高いことからも、燃料の買いだめは危険だと警告した。
 長期化する可能性のある地政学的不確実性に備え、政府はエネルギー供給を確保するため複数の戦略を並行して進めている。新たな輸入源の確保に加え、国内消費を抑制する取り組みも進めている。
 また原油依存を減らすためバイオ燃料の利用を拡大し、一部の燃料の輸出は停止している。当局はさらに、輸入精製油の仕様基準の見直しも検討しており、より多くの供給業者から石油製品を調達できるようにする方針。
 軽油価格は据え置かれ、石油基金が補助金を出している。基金は最大200億バーツの借入余力を有しており、国内燃料価格の安定化策を当面支えることができる見通し。追加の借り入れが必要となり、政府が緊急勅令に基づいて保証を行なう場合、借入は公的債務として計上される。
 財務省によると、2026年度の財政余力はなお3000億バーツ以上あり、石油基金の借り入れを政府が保証する必要が生じた場合でも対応可能な水準にある。
 2026年度予算では、財政赤字を補填するため8600億バーツの借り入れを計画している。この借入枠をすべて使用した場合、公的債務は国内総生産(GDP)比で最大68.2%まで上昇する可能性がある。
 石油基金は現在、7億バーツ超の赤字となっており、エネルギー危機以前の約20億バーツの黒字から状況が変化している。過去において、基金の赤字は最大1200億バーツに達したこともある。

モーターショー、3月25日開幕=EV新ブランド参入で活性化

 タイ最大級の自動車イベント、バンコク・インターナショナル・モーターショー2026(第47回)の開催に向け、主催のグランプリ・インターナショナル社が準備完了を発表した[=写真]。イベントは3月25日から4月5日まで、バンコク郊外ムアントンタニのインパクト・チャレンジャーホール(ホール1~3)で開かれる。


 今回のテーマは「THE ICONIC SYNCHRONICITY」。最新技術と洗練されたデザインの融合を象徴し、タイ自動車市場の活性化を促すイベントとして期待されている。
 実行委員会のチャトゥロン・コーモンミット副委員長は、今年のモーターショーについて、メーカーや最先端技術、世界市場を結び付ける場にしたいと述べた。EVやスマート技術へと進むタイのデジタル経済・グリーン経済の流れを後押しする狙いがある。
 同氏はまた、米国・イスラエル・イランを巡る緊張など世界経済に影響する要因にも触れ、「外部リスクには注意が必要だが、政府と民間の連携により適切に対応する必要がある」と指摘した。
 さらに、タイが地域の主要自動車生産拠点であり続けるためにはEVだけでなく、効率を高めた内燃機関車の技術革新も重要と強調。「このイベントは単なる展示ではなく、販売や関連産業の活性化、雇用や観光、国内経済の循環を生む重要な仕組みだ」と述べた。
 今年は自動車37社、バイク8社の計45ブランドが出展予定で、新型モデルは10車種以上が登場する見込みだ。EVや代替エネルギー車を含む幅広いラインナップが披露される。
 特に注目されるのは新興EVブランドの参加だ。Chery、Lepas、Firefly、Forcingなどに加え、初参加となるテスラも出展を予定している。これらの参加は、タイ市場への期待の高さを示している。
 各メーカーは購入を促進するため、柔軟なローン条件や割引キャンペーンを用意している。主催者は今年の総売上が前年より少なくとも10%増えると見込んでいる。
 会場では試乗エリアも設けられ、来場者は実際に車両性能を体験できる。また総額145万バーツ相当のギフト券が当たる「モーターショー・ペイ」キャンペーンも実施される。
 さらに200台以上のカスタムカーが集まる「JDM & Custom Culture」ゾーンや、子ども向けランバイクレースなど多彩なイベントも予定する。
 ピーラポン・イアムラムナオCEO[=写真]は、このモーターショーが国内最大級の情報発信拠点になっていると指摘した。3000人以上のメディアやインフルエンサーが参加し、新型車や業界情報が拡散されるほか、来場者自身もSNSで写真や動画を共有することで会場の熱気が広がるという。
 バンコク・インターナショナル・モーターショーは、展示会の枠を超え、自動車産業、メディア、消費者をデジタルで結び付ける巨大なプラットフォームへと発展している。タイの自動車産業の信頼とブランド力を高める重要なイベントとしての役割も担っている。

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