2026年3月16日(月)号

タイ産キャッサバを日本で売り込み=プレミアム産業への展開に期待

 商業省国際貿易局(DFT)はこのほど、タイ産キャッサバ・同製品の輸出市場拡大を目的として、政府代表、学識者、民間部門からなる代表団を東京に派遣した成果を明らかにした。昨年末に同局が日本に派遣した貿易代表団の成功を踏まえた取り組み。日本の潜在力ある産業分野へのタイ産キャッサバ製品の販路拡大を後押しする。今回の日本訪問は、日本の政府機関や主要企業から好意的な反応を得ており、飼料産業、食品産業、さらに化学品やバイオプラスチックなどの関連産業において、タイ産キャッサバの活用に対する関心が高まった。日本の輸入業者の多くは、今後、製造工程の原料としてタイ産キャッサバ製品の輸入を増やす可能性を示している。高付加価値の加工キャッサバ製品であるペレット、改質タピオカ澱粉、プレミアムグレードのタピオカ澱粉に重点を置き、日本の各種産業の需要に対応する。
◆日本企業・政府と協議、飼料や食品用途に関心
 アラダー・フアントーン局長は、同局が代表団を編成し、東京でタイ産キャッサバ製品の輸出拡大に向けた活動を行なったと説明した。代表団は国際貿易局のノッパドン・カンタマート次長[=写真]を団長とし、専門家や民間企業関係者など計37人で構成。2月25日から26日にかけて実施され、主にキャッサバペレット、タピオカ澱粉、プレミアムグレードの澱粉の輸出拡大を目指した。


 タイ産キャッサバは長年にわたり高い品質基準で知られており、生産技術も近代化されている。特にプレミアムグレードのタピオカ澱粉は高付加価値製品としての潜在力を有しており、さまざまな関連産業の原料として利用可能。また、炭水化物源として優れ、遺伝子組み換えではなく、グルテンも含まないという特性を持つ。アラダー氏は、品質と消費者の安全性を重視する日本市場のニーズに合致するもので、日本市場においてタイ産キャッサバ製品のポテンシャルを示したいと述べた。
 訪問中、代表団はキャッサバ関連産品を所管する日本の政府機関と会談し、日本の主要産業における原料としてキャッサバを活用するための協力の方向性について協議した。また、日本の主要輸入業者を含む民間企業とも意見交換を行なった。とりわけ畜産分野では、全国農業協同組合連合会などの関係者と協議し、タイ産キャッサバペレットの飼料原料としての活用を訴えた。カセサート大学の飼料専門家であるレーチャート・ブンエーク準教授は、キャッサバを原料とした飼料配合の栄養価や利点について説明した。
 現在、日本ではキャッサバペレットが主に豚の飼料として輸入されており、豚肉の品質向上に寄与している。国際貿易局は、これを基盤として、今後は乳牛や肉牛用飼料の原料としての利用拡大を目指している。日本では牛の飼育頭数が多く、農家が肉や乳の品質に影響する高品質な飼料原料を重視しているため、タイ産キャッサバの特性と合致するという。
◆プレミアム用途を開拓
 代表団は、食品や消費財関連産業の主要企業とも協議した。対象企業には、伊藤忠商事、豊田通商、双日フーズなどが含まれる。これらの企業とは、付加価値の高い加工キャッサバ製品、特に改質澱粉(Modified Starch)の輸出促進について意見交換を行なった。
 現在、日本ではアセチル化澱粉(acetylated starch)などの改質タピオカ澱粉がペットフードに使用されており、結着剤(バインダー)としての特性が評価されている。また、タイ産タピオカ澱粉はバイオプラスチックの原料としても加工可能で、日本の環境政策の方向性と合致することから、日本の民間企業の間で大きな関心を集めているという。
 アラダー局長は、「今回の訪問は、タイ産キャッサバ製品の高度化を大きく後押しするものとなった」と述べた。特に、付加価値の高い製品開発を重視しており、プレミアムグレードのタピオカ澱粉を中心に、グルテンフリーや遺伝子組み換えでないといった特長を打ち出していく。日本向けにすでに輸出されている製品の需要拡大も図る。例えば、乳牛や肉牛用飼料向けのキャッサバペレット、ペットフード向けの改質タピオカ澱粉などで、さらに、タイ産タピオカ澱粉から製造されるバイオプラスチックは、日本の環境政策の方向性とも一致しており、プレミアム包装材産業への市場拡大の重要な機会になる。
 国際貿易局は、今回の協議の成果をもとに、付加価値の高い加工キャッサバ製品の輸出の拡大を進めていく方針。市場の需要に対応した製品開発を進めることで、タイ産キャッサバ製品の輸出量と輸出額の双方を増やし、農家やキャッサバ産業の収入増につなげる。
 アラダー氏は、日本はキャッサバ関連製品の需要が多く存在する有望な輸出市場と指摘した。タイの品質や製造基準は国際的にも高く評価されており、日本の主要企業が関心を示したことは、商業省の政策と国際貿易局の取り組みが効果を上げていることを示す良い兆しだと語った。
 日本市場への輸出拡大は、タイの農家に対し、自らの生産物に安定した市場があるという信頼をもたらす。農家の所得向上につながるとともに、タイ経済全体にも長期的な利益をもたらすことが期待されている。
 アラダー局長は、今回のミッションについて、タイの輸出業者と日本の輸入業者とのネットワークを結びつけ、日本側にタイ産キャッサバの有用性をより深く認識してもらう狙いがあったと述べた。取引先との信頼関係を構築し、戦略的パートナーシップへと協力関係を格上げする。同局は、今回の取り組みにより、日本向けタイ産キャッサバの輸出がさらに拡大すると確信している。キャッサバ農家や事業者の所得向上につながるだけでなく、貿易リスクの分散、産業全体の強化、さらには国内農家に対するキャッサバ価格の持続的な引き上げにも寄与する。
 日本はタイにとって第2位のキャッサバ輸出市場。昨年の輸出量は39万4742㌧、金額は2億6164万㌦だった。輸出量は前年に比べ0.3%増加した。輸出品目の内訳は金額ベースで、(1)加工タピオカ澱粉84.4%、(2)未加工タピオカ澱粉15.1%、(3)キャッサバペレット0.3%、(4)その他キャッサバ製品0.2%。

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