2025年1月24日(金)号

12月の物品輸出は8.7%増=通年で3000億㌦超え

 商業省が1月23日に発表した24年12月の物品輸出額は247億6590万㌦で、前年同月比8.7%増となった。石油・金地金・武器を除いた輸出額は10.4%増。物品輸出の前年同月比での増加は6か月連続となった。24年の輸出額は3005億2950万㌦で、初めて3000億㌦を超えた。前年比では5.4%増となり、商業省が直前に見積もっていた5.2%増を上回った。
 12月の物品輸入額は247億7650万㌦で、前年同月比14.9%増。貿易収支は1060万㌦の赤字となった。1~12月合計の輸出額は3005億2950万㌦で、前年比5.4%増、輸入額は3068億980万㌦で、同6.3%増だった。貿易収支は62億8040万㌦の赤字。
 12月の農産物/アグロインダストリー製品の輸出額は8.9%増。6か月連続で増加した。農産物は10.7%増、アグロインダストリー製品は6.7%増だった。
 天然ゴムの輸出額は48.5%増で、14か月連続で増えた。中国、日本、米国、マレーシア、韓国市場が拡大した。生鮮・冷蔵・冷凍鶏肉・同調製品は7.1%増、3か月連続で増加した。日本、英国、中国、オランダ、香港向けが増えた。水産缶詰・同加工品は14.2%増で、6か月連続で増加した。米国、日本、アラブ首長国連邦、エジプト向けが増えた。生鮮・冷蔵・冷凍果物は4.0%増。2か月連続で増加した。中国、インドネシア、ベトナム、マレーシア、韓国向けが増えた。
 ペットフードは9.7%増となり、15か月連続で増加した。米国、台湾、ドイツ、フィリピン、インド市場が拡大した。小麦・その他調理済み食品の輸出は12.0%増で、12か月連続で増加した。米国、中国、オーストラリア、ミャンマー、ラオス向けが増えた。タピオカ製品は7.8%増で、14か月ぶりに増加に転じた。中国、米国、インドネシア、オーストラリア、オランダ市場が拡大した。果物缶詰・同加工品は24.3%増で、15か月連続で拡大した。米国、中国、オランダ、ラオス、マレーシア向けが増加した。
 一方で、米の輸出は8.5%減となり、2か月連続で減少した。中国、インドネシア、フィリピン、イラク、セネガル向けは減少したが、米国、香港、イエメン、南アフリカ、モザンビーク向けは拡大した。砂糖は30.0%減で、12か月連続でマイナス成長となった。カンボジア、ラオス、台湾、シンガポール、中国向けが減少した一方で、インドネシア、マレーシア、韓国、ミャンマー、フランス領ポリネシア向けは増えた。
 昨年通年の農産物/アグロインダストリー製品の輸出額は6.0%増だった。
 12月の工業製品の輸出額は11.1%増で、9か月連続で増加した。コンピュータ/同構成部品は43.5%増。9か月連続で増加した。米国、中国、ドイツ、シンガポール、アイルランド向けが好調だった。ゴム製品は22.5%増で、プラス成長は6か月連続。中国、米国、日本、インド、マレーシア向けが増えた。宝石・宝飾品(金地金を除く)は79.5%増で、2か月連続で増加した。インド、米国、アラブ首長国連邦、日本、ベトナム向けが増えた。
 機械・同部品は35.6%増で、プラス成長は10か月連続となった。米国、英国、日本、中国、インドネシア向けが増えた。化学製品は20.1%増で、プラス成長は6か月連続となった。中国、インド、米国、マレーシア、インドネシア向けが増えた。エアコン・同部品は28.7%増。6か月連続で増えた。米国、ベトナム、アラブ首長国連邦、インド、イタリア向けが増えた。
 一方で、自動車・同部品は7.2%減となり、再び収縮に転じている。オーストラリア、マレーシア、日本、サウジアラビア、ブラジル向けが収縮した一方、フィリピン、米国、メキシコ、インドネシア、ベトナム向けは増えた。精製油の輸出は33.7%減。マイナス成長は4か月連続で、ラオス、ベトナム、ミャンマー、シンガポール、マレーシア向けが減った一方、カンボジア、中国、インドネシア、インド向けは伸びた。
 エンジンの輸出は28.3%減となった。9か月連続の収縮で、アルゼンチン、米国、マレーシア、台湾、中国向けが減少した一方、インドネシア、南アフリカ、インド、日本、フィリピン向けは増加した。半導体/トランジスタ/ダイオードの輸出は77.9%減。収縮は10か月連続で、香港、日本、米国、中国、韓国向けが落ち込んだ。ただし台湾、マレーシア、ドイツ、メキシコ、英国向けは増えている。
 昨年通年の工業製品の輸出額は5.9%増だった。
 仕向け地別に見ると、12月の主力市場向け輸出は12.0%増だった。米国(17.5%増)、中国(15.0%増)、日本(0.6%増)、EU(19.1%増)、CLMV(20.7%増)が拡大した一方、アセアン(5)(0.6%減)向けは減少した。
 プーンポン・ナイヤナパコン商業政策戦略事務局長は25年の物品輸出額を前年比2~3%増と見積もっていることを明らかにした。
 現在の経済成長に近いと予測される世界経済の動向、インフレ圧力の低下と金利の低下、アセアン諸国への製造拠点再配置の動き、タイのソフトパワー産業の強化戦略により世界市場でタイ製品の特長が認知されるようになることを支援要因に挙げた。一方で米国の貿易政策の不確実性が世界貿易環境に及ぼす負の影響、長期化する地政学的問題や為替変動はマイナス要因。

タイ港湾公団と横浜市=港湾開発で協力関係を強化

 タイ港湾公団(PAT)は1月22日、横浜市とバンコク港(クロントイ)開発プロジェクトでの協力で意向書(ILO)を取り交わした[=写真]。両者の10年に及ぶ提携を記念するもので、港湾開発、インフラ、人材の育成、環境保護、地域社会との協力を強化し、効率的で持続可能な港湾運営を目指す。


 横浜市での署名式にはスリヤ・ジュンルンルアンキット副首相兼運輸相も立ち会った。スリヤ副首相は「環境に優しい港湾の実現を目指したい。横浜市がバンコク港の開発プロジェクトに専門家を派遣し、港湾インフラの改善を支援し、温暖化対策の一環として二酸化炭素排出削減やデジタル技術の開発に貢献してくれることを期待する」と語った。
 横浜港国際流通センター(YCC)との会議も行なわれ、スリヤ副首相のほか運輸省のチャヤタム・プロムソン運輸省次官や、タイ港湾公団の幹部が参加した。横浜側からは、横浜市港湾局の新保康裕局長、横浜港埠頭の植松久尚社長、横浜川崎国際港湾の人見伸也社長が出席した。
 港湾公団の理事長も務めるチョヤタム次官によれば、今回の横浜港訪問はタイと横浜の港湾当局の10年間にわたる友好関係と協力の強化を祝うもので、タイ側は横浜港が国際基準に基づく発展を遂げ、効率的で安全、迅速なサービスを提供している点を評価している。大型貨物船の受け入れや地域の開発を進め、地域経済を活性化している。
 タイ港湾公団のクリアンンクライ・チャイシリウォンスック総裁は横浜港の開発政策や開発手法がバンコク港の開発にも応用可能だと述べ、特に「スマート&グリーン・ポート」の実現に向けた協力に期待している。また横浜市の周辺地域開発、物流センターの開発、交通渋滞の解消といった取り組みがバンコク港にも応用可能で、物流コストの削減や地域経済への貢献が期待できると述べた。一行は横浜みなとみらい21というウォーターフロント・エリアの開発が地域経済の発展と雇用の創出に貢献していることを確認した。
 会議ではバンコク港のインフラ整備、観光港の開発も議題に取り上げられた。バンコク港にクルーズ船ターミナルを建設する計画があり、観光業を刺激し、経済成長にも寄与する。67.41ライの土地に開発する計画。
 横浜市との協力の主な分野は、①港湾開発と物流ハブの整備②港湾周辺地域の価値最大化と地域社会の生活の向上③交通渋滞の改善④クルーズ船ターミナルの開発。横浜港の物流センター開発は、バンコク港でのバンコク物流パーク(Bangkok Logistics Park)開発プロジェクトのモデルになる。横浜市の高架道路の整備をモデルにバンコク港と主要道路をつなげば、交通渋滞の解消や周辺地域住民の生活水準の向上につながるほか、スマートコミュニティやスマートシティのプロジェクトに発展する可能性も出てくる。また、トラックの駐車場を整備し、交通管理技術(Truck Q)を活用することで渋滞の改善を進めれば、港内外での効率的な貨物輸送が実現する。

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