ピックアップ車ローン=TCGが100億Bの保証枠
タイ信用保証公社(TCG)のシティコーン・ディレークスントン総裁[=写真中央右]は、中小企業がピックアップトラックを購入しやすくするため、100億バーツの保証枠を設ける方針を明らかにした。低迷する自動車産業を活性化させる狙いがある。保証手続きは4月から開始される予定だ。

シティコーン総裁は3月13日、チャーンイサラタワー2にあるTCGラーニングセンターで、トリペッチいすゞセールス社のウィチャイ・シナナンパット副社長[=写真中央左]、トリペッチいすゞリーシング社の宮地隆史社長[=写真左から1人目]と会談し、ピックアップ車ローンの保証方法について協議した。中小企業が業務用の車両を購入しやすくすることを目的とし、特に輸送業や商業用途向けの新車購入を支援する。また、金融機関の信用リスクを低減し、融資の承認率の向上にも寄与すると期待されている。低迷する商用車市場の活性化にも貢献し、経済成長を促進する狙いもある。
タイ中央銀行の最新データによると、昨年の商業銀行による融資は前年比0.4%減少し、過去15年間で最大の減少幅を記録した。特に、中小企業向け融資やハイヤーパーチェスローンの減少が顕著で、後者は9.9%減少している。TCGは、ピックアップ車の信用保証が新車購入を検討する1万2500社の中小企業に利益をもたらし、3万7500人の雇用を維持し、経済効果は413億バーツに達すると試算した。
シティコーン総裁によれば、現在、財務省やローン各社と協議を進めている段階で、商業銀行の子会社ではない独立系ローン会社にも信用保証を提供できるか検討中。現状、商銀が50%以上の株式を保有するノンバンクにのみ信用保証を提供することが認められているが、この基準の見直しについては、今月中に決定する予定だ。
シティコーン総裁は、今回の信用保証スキームが中小企業の資金調達を改善するだけでなく、コスト削減にも寄与すると述べた。保証料は約2%、ローンの返済期間は7年に設定する方針。
このスキームの対象となるのは新車のピックアップに限定する。ただし、購入者が初めて車を購入する必要はなく、特定のピックアップトラックの種類を指定することもない。唯一の条件として、購入した車両が事業用途で使用されることが求められる。
トリペッチいすゞセールスのウィチャイ副社長は、TCGとの協力により、保証が提供されれば、トリペッチいすゞリースを含むリース会社の融資の承認が増え、市場全体の拡大につながると述べた。
タイの自動車市場はここ数年、国内販売と輸出向け生産ともに縮小傾向にある。今年1月の1トンピックアップトラックの生産台数は7万604台で、前年同月比18.65%減となった。過去2年間にピックアップトラック市場は継続的に縮小している。2023年には国内向け生産が28%、輸出が72%に達し、2024年には国内向けが20%、輸出が80%になった。今年も市場は低迷すると予測されている。TCGによるローン保証制度が導入されれば、消費者の購買意欲を刺激し、市場の回復につながる可能性があると期待を示した。
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