2026年7月3日(金)号

マイルドハイブリッド車製造=BOIがマツダの事業を認可

 投資委員会(BOI)は、マツダ系列のオートアライアンス(タイランド)社による「マイルドハイブリッド車(MHEV)」生産工程への新規投資事業を認可した。ラヨン県イースタンシーボード工業団地にある工場のラインを刷新するもので、74億バーツを投じる。新ラインの稼働開始は2027年を予定しており、タイ国内で販売するほか、日本やアセアン諸国へ輸出する。
 BOIのナリット・トゥードサティラサック事務局長[=写真]は、「マツダはタイをMHEVの主要生産拠点として選んだ。今回の投資は、世界市場の需要や今後の自動車技術の転換に合致するもので、国家EV政策委員会が打ち出した国内でのMHEV製造支援方針にも沿っている。同委は7年間(2026~32年)にわたり物品税率を固定する特別措置を打ち出している」と述べた。


 現在、マツダ・グループはタイ国内に4つの現地法人を持ち、自動車、エンジン、オートマチックトランスミッション、自動車部品の製造から、地域内での販売やマーケティングまで幅広く事業を展開している。その一環として、フォードと共同でオートアライアンス(タイランド)社を設立し、ピックアップ車や乗用車をはじめとする域内生産拠点としている。さらに、マツダ・パワートレイン・マニュファクチャリング(タイランド)社も設立し、タイをSKYACTIV技術を搭載したエンジンやトランスミッションの地域主要生産拠点としている。
 今回の投資では、車体フレームの溶接、ボディ組み立て、塗装、車両組み立てといった主要工程に自動化システムやロボットを導入し、生産ラインを刷新する。生産効率と精度を高め、欧州の排出ガス規制「ユーロ6」に対応するほか、工場内でのクリーンエネルギー利用率も引き上げる。これらは、MHEV技術を搭載したBセグメントSUVの生産に向けた準備となる。この技術により燃費性能が向上し、二酸化炭素排出量も削減される。生産した車両は国内で販売するほか、アセアン諸国へ輸出し、日本へも逆輸出する。ナルット事務局長は、こうした計画は同社や顧客がタイ工場で生産する車両の品質に信頼を寄せていることの表れだとしたうえで、今回の投資は、マツダ・グループが今後タイでEV開発を進めるにあたって重要な一歩になるとの認識を示した。
 MHEV製造支援策について、国家EV政策委は、二酸化炭素排出量が100g/km以下の場合は10%、101~120g/kmの場合は12%の物品税率を定めている。この税率は7年間(2026~32年)固定される。適用には、50億バーツ以上の追加投資を行なうことに加え、国内で製造または組み立てた主要部品を使用することなどの条件がある。2026年から国内生産したバッテリーを、2028年からトラクションモーター(駆動力を補う機能を持つ部品を含む)などの主要部品を使用しなければならない。さらに、先進運転支援システム(ADAS)の6つの機能のうち、少なくとも4つを搭載する必要がある。
 ナリット事務局長は、「マツダが今回、タイをMHEVの主要生産拠点に選んだことは、タイの潜在力に対するグローバル企業の信頼を裏付けるものであり、タイのEV産業における新たな節目となる。国家EV政策委とBOIは、内燃機関(ICE)からBEV、PHEV、HEV、MHEVに至るまで、あらゆるセグメント、技術で次世代自動車への転換を支援する方針を掲げている。タイをあらゆるタイプのEVの製造・輸出拠点とし、地域の自動車サプライチェーンの中心地へ発展させていく」と述べた。
 なお、マツダ本社とマツダ・セールス・タイランドは昨年2月、バンコクで行なった記者会見において、マツダがこれまでタイで培ってきた現地サプライチェーンの強みを生かし、50億バーツを投資して、タイの生産拠点であるオートアライアンス(タイランド)を年間10万台の新型小型SUV生産ハブとして整備すると発表している。2025年から2027年にかけて、バッテリーEV2車種、プラグインハイブリッドモデル1車種、ハイブリッドモデル2車種の計5車種を導入する計画とし、電動化が進展するタイにおいて、電動化商品ラインアップを拡充していくとしている。

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