2026年5月22日(金)号

クルンシーが法人金融事業強化=サステナブルファイナンス拡大へ

 アユタヤ銀行(クルンシー)は、2026年の大企業・投資銀行部門の事業方針を発表した。「Trusted Partner for a Sustainable Future(持続可能な未来を共に築く信頼できるパートナー)」としての役割を強調し、大企業顧客の持続的成長支援や産業成長支援、さらにはタイの持続可能な未来づくりへの貢献を進める方針だ。
 クルンシーの大企業・投資銀行部門責任者であるプラコーブ・ピアンチャルーン氏[=写真]は5月14日、「今年の大企業・投資銀行部門の事業方針は、事業成長と並行して付加価値創出を重視することにある。同時に、『Trusted Partner』としての役割をさらに高め、顧客、産業界、タイ経済の長期的成功を共に支えていく」と述べた。クルンシーは、ESG対応を進める顧客に対し、新たな国際ビジネス機会創出を支援する「Enabler(実現支援者)」として機能すると説明した。クルンシーの専門性、MUFGのネットワーク、そしてグループ横断戦略「ONE Krungsri」を活用し、持続可能性への移行を支援する金融ソリューションを提供していく。


 クルンシーは昨年、サステナブルファイナンス分野で成果を上げた。例えば、財務省公的債務管理事務局による追加発行額290億バーツのサステナビリティ債について、サステナブルファイナンス・アドバイザーと引受主幹事を務めた。アジアの政府部門として初のサステナビリティボンド発行事例となった。
 また、タイ発電公団(EGAT)による20億バーツ規模のサステナビリティ債発行についても、引受主幹事とサステナブルファイナンス・アドバイザーを担当した。タイ国営企業として初のサステナビリティ債発行事例となった。
 さらに、「The Asset Triple A Awards」において主要3賞を受賞した。「Best Bank for Sustainable Finance」は4年連続受賞、「Best Bond Advisor – Domestic」は3年連続受賞となったほか、「Best M&A Advisor」も受賞し、M&A助言分野での強みを改めて示した。クルンシーは、企業顧客と社会・環境が共に持続的に成長できるよう、持続可能な金融ソリューション開発を継続し、「Trusted Partner」としての役割を果たしていく姿勢を示している。
 2026年について、大企業・投資銀行部門は、「Sustainable Future for Client, Industry and Country」の理念のもと、3つの戦略目標を軸に事業方針を定めた。
 ・顧客の持続的成長支援
 付加価値創出と総合的な金融ソリューション提供を通じて、事業成長と顧客の金融ニーズ双方へ適切かつ効率的に対応する。
 ・タイ経済および主要産業の発展支援
 多様な金融サービスを提供するとともに、専門分野における知見を活用する。また、国内外の戦略的パートナーネットワークとの連携を進め、タイ企業の長期的競争力強化を支援する。
 ・持続可能な未来づくりへの貢献
 サステナブルファイナンス推進を通じて、低炭素経済への移行を支援し、「Thailand Net Zero 2050」目標に沿った取り組みを進める。
 なお、これらの事業方針は4つの主要戦略を通じて推進する。
 1.総合的金融ソリューション提供
 融資とサステナブルファイナンスを含む総合的な金融ソリューションを提供する。融資、債券、ESG関連ソリューションまで幅広く対応し、これまで手掛けてきた主要案件で培った実績をさらに拡大する。
 2.MUFGとの連携による顧客のビジネス機会拡大
 三菱UFJフィナンシャルグループとの連携を通じ、顧客の国内外事業を多面的に支援する。国内市場基盤の強化と国際展開の拡大の双方を推進する。また、サステナブルファイナンス、オフショア融資、産業支援など多様なソリューションを強化し、変化する経済環境下における顧客ニーズに対応する。
 3.金融アドバイザリー・取引支援
 クルンシー証券と連携するとともに、三菱UFJフィナンシャルグループのグローバルネットワークと東南アジア地域の提携銀行ネットワークを活用し、顧客の戦略的金融取引を支援する。対象は、M&A、資本市場を通じた資金調達、投資信託販売支援業務など多岐にわたる。顧客ごとの状況や目標に応じた金融ソリューション構築とアドバイザリー提供を通じて、長期的成長を支援する。
 4.デジタルソリューションによる顧客事業高度化
 各産業のニーズに合わせたデジタルソリューションを通じ、デジタル経済時代に対応した総合的な事業運営を支援する。国内外リアルタイム送金ソリューションに加え、デジタルプラットフォームを通じた投資商品の利用チャネル拡大も進める。これにより、競争力強化や事業効率向上、顧客の長期的成功実現を目指す。
 クルンシーは2026年においても、サステナブルファイナンス分野の取り組みを拡大する方針。社会・持続可能事業向け金融支援の目標額を3500億バーツに設定している。
 今年第1四半期には、数多くの主要産業向けサステナブルファイナンス支援で重要な役割を果たした。例えば、RATCHグループ社向け35億バーツ規模のグリーン債発行における引受主幹事を務めた。さらに、バンコク・エクスプレスウェイ&メトロ社(BEM)向けでは、80億バーツ規模のサステナビリティ債引受主幹事を務めるとともに、30億バーツ規模のサステナブル融資支援も実施した。
 タイの主要企業向け信用格付助言業務(Rating Advisory)でも重要な役割を果たしている。資本市場支援と財務構造管理の両面で総合的な支援を行なう専門性を示すものとなっている。
 プラコーブ氏は「持続可能な成長とは、一企業だけの成功によって実現するものではなく、経済全体が共に前進していくことで達成されるものだ。そのため、顧客、産業界、国家の成長を支えるエコシステム構築を目指している。専門知識、多様な金融ソリューション、戦略的パートナーとの協力を融合させることで、競争力向上を後押しし、持続可能な成長を共に推進していく」と述べた。

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